弊社が10年以上御縁をいただいている企業様が創立50周年を迎えられました。
節目ということもあり、年表・社史を作成しているのですが、振り返ってみると直近20年間は全期黒字、自己資本比率は約18%も改善されていました。
そして、今年は地域未来牽引企業(※)にも選ばれました。※経済産業省が選定する地域経済の中心的な担い手となりうる事業者
文章にしてしまうとたった数行ですが、決して順風満帆ではなく、本当に色々なことがありました。それだけに喜びもひとしおであり、半世紀存続することの難しさと偉大さを改めて感じます。
このように、長きにわたり「世の中から必要とされ続ける企業」「存在し続ける企業」の強さの秘訣はどこにあるのでしょうか?
東京商工会議所発行の小冊子「老舗企業の強さに学ぶ」を参考に紐解いてみましょう。
目次
1.のれん(会社らしさ)を創る
つまり経営理念をもちそれを浸透・共有化することです。具体的には、
- 自社の「個性」を薄めず、自社の強みを長期にわたって強化し続ける。
- いたずらに規模を追わず、身の丈に合った商売を心がける。
- 本業を重視し、目先の利益を追わない(長期的視点)。
2.商いを創る
つまり、長期的・持続的に競争力ある商いを創り込むことです。具体的には、
- 商品・売り方・技術などにおいて、小さな差別化の積み重ねで強みを創り込む。
- ただ商品を売るのではなく、顧客が求めるものを提供する。
- 1日1日に危機意識を持つ。変化を止めると歴史が止まる。
- 代替わりで大きな変革を仕込む。後継者は冷静に次の変化を検討し、先代は身を引き見守る我慢をする。
- 新たな固定客創りを意識した取り組みを行う(未来への種まきの視点)。
3.関係を創る
つまり、顧客との信頼関係を構築することです。具体的には、
- 商品の個性を主張する。こだわりを届ける(伝える)。
- 最高の商品を最高の状態で提供する。
- 仕入先と関係づくりの場を設け、事業概念を共有する。
- 顧客の声を傾聴する。顧客の声を吸い上げる仕組みが整っている。
- 信頼を得るために品質・納期など、当然守るべき約束を守り抜いている。
- 顧客の視点に立ち、必要と思われる付加価値情報の提供・提案を行っている。
4.人を育てる
つまり、独自の人の育て方をもつことです。具体的には、
- 経験知を育む。マニュアル整備だけではなく、実践・体感を重視した従業員教育を行う。
- 変えてはならないもの、変えていくものを明確にし、効率的・効果的にノウハウを承継する。
- 公的資格取得を奨励している、資格制度を育成に活用している。
5.地域性・地縁を活かす
つまり、地域の価値を高めることで、自社の繁栄につなげることです。具体的には、
- 業種や世代を超えた地域ネットワークを作る・活かす。
- 自社の成長を育んできた地域社会を大切にすることで自社にも恵みをもたらす(共存共栄の関係)。
まとめ
理念浸透、他社との差別化、顧客との信頼関係、人財育成、地域貢献――。
長期的な視点で取り組む必要がある項目ばかりですが、このような時だからこそ、改めて考えていきたいものです。
経営にウルトラCはありません。コツコツがカツコツ(勝つコツ)です。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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