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金持ち社長の「細かさ」

2017.07.18

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社長の器という言葉があるように、社長=大雑把であるべしと考える社長もいるかもしれません。

ただ金持ち社長になるには細かく見る必要があります。なぜ細かく見る必要があるのでしょうか。

目次

会社でもリンゲルマン効果の傾向がある

会社が小さいうちは、社員全員が一生懸命に社長と共に汗を流していても、社員数が増え“一定の規模”になってくると、「自分一人サボっても大丈夫だろう」という社員が出てくるものです。

そして、そうした社員が一人でも生まれるとやる気のない社員がどんどんと増えていくことになります。

フランスの農学者リンゲルマンによると、集団作業に臨む際、
1人でその作業に取り組む時の力を100%とすると、
2人作業では一人あたりの力の発揮が93%、
3人では85%、5人では70%、8人では49%……と、
人数が増える程、個人のパフォーマンスが低下する現象が明らかになったそうです。(社会的手抜き現象=リンゲルマン効果)

これは企業にも見られる傾向で、それまで順調に拡大してきたものの、ある一定の規模から大きくできずに頭打ちになっている会社を多く見てきました。

頭打ちになっている状況から成長していこうと思うと、社員一人ひとりが緊張感を持って業務にあたれる環境が必要であり、いわば会社の創業期と同じような状況を作っておくことを意味します。

小集団経営の必要性

そのためには、企業を細分化し「細かく」見ていくことが必要です。

《 細かく 》 会社 ⇒ 事業部(拠点)⇒ チーム(小集団)⇒ 個人

それぞれの単位で、それぞれの組織を作り、業績を把握できる仕組みを作り、その単位で競争し切磋琢磨できる環境を作りましょう。こうした組織を作ることができれば、社員・リーダーの自発的な成長を促すことができます。

小さな組織を作り、そこでリーダーとしての経営経験を積ませることで、大きな組織のリーダー(ミニ経営者)に育てていくのです。会社は、経営者を何人作れるかが勝負です。

リーダー経験を積むことは、社長の気持ちを理解することにも繋がります。

また「百聞は一見にしかず」で、偉大な経営者・先人の本を何冊読むよりも、実経験を積む方が何倍も成長するのです。

大雑把=良い社長ではない

“細かい”の対義語は、“大雑把(粗い)”という言葉になります。

「社長の器」という言葉もありますので、社長とはあまり細かく見るより「大雑把であるべし」と考えている社長も多いようです。

細かい社長=器が小さい、大雑把な社長=器が大きいと考えているのかもしれません。

当然、社員からすれば、社長には細かいより「大雑把」でいてもらう方が楽だし居心地もいい。社長らしい社長という見方もできるでしょう。

しかし大雑把は、小さいことを気にしないがゆえ、
ある意味、無責任とも言えるのではないでしょうか。

私の経験上、金持ち社長は…経営を「細かく」見ます。貧乏社長は……経営を「大雑把」に見ます。

社員から「社長は細かいですね」と言われたら、これは誉め言葉だと思ってください。

細部にまで気を配るのが金持ち社長であり、細かいことをおろそかにするのは、いい加減でダメな、会社を潰すような貧乏社長です。

「会社経営は細部に宿る」と言います。細部をしっかりケアし、経営をマクロにとらえるばかりではなく、ミクロにとらえることが金持ち社長になるためには必要なのです。

金持ち社長と貧乏社長の違い

前項では金持ち社長と貧乏社長の性格の違いをお話ししましたがまだまだ金持ち社長と貧乏社長の違いはあります。

NBCコンサルタンツでは、2016年10月から12月まで資金改善経営をテーマとした
『金持ち社長と貧乏社長の違いセミナー』を開催いたしました。

ここに、私が考える“金持ち社長・貧乏社長”について対比して述べたいと思います。

金持ち社長と貧乏社長の『会社のお金』

金持ち社長 見える化しており、自己資金がいくらあるのか把握している
貧乏社長 経理任せ(関心なし)

金持ち社長と貧乏社長の『仕事観』

金持ち社長 知恵の経営。未来思考。将来を見据え計数を軸にした経営
貧乏社長 体力勝負の経営。過去思考。過去の経験や勘に頼った経営

金持ち社長と貧乏社長の『性格』

金持ち社長 細かい。朝が早い。数字に強い
貧乏社長 大雑把、朝が遅い。数字に弱い(どんぶり)

金持ち社長と貧乏社長の『重点指標』

金持ち社長 利益率、労働分配率、自己資本比率
貧乏社長 売上

金持ち社長と貧乏社長の『評価制度』

金持ち社長 実力主義。年2~3回の評価(仕組み)。やる気がでる
貧乏社長 年功序列。年1回の評価。やる気がでない

金持ち社長と貧乏社長の『経営情報』

金持ち社長 経営内容は社内へ公開
貧乏社長 社内には非公開

金持ち社長と貧乏社長の『新規事業』

金持ち社長 コブ(関連事業・シナジー事業)の経営
貧乏社長 流行を追う(非関連事業)の経営。

金持ち社長と貧乏社長の『金融機関対策』

金持ち社長 格付け重視(融資条件が有利)
貧乏社長 金融機関の言いなり(融資条件が不利)

金持ち社長と貧乏社長の『会計事務所との付き合い方』

金持ち社長 経営アドバイザーとして
貧乏社長 記帳代行。税務署対策として

金持ち社長と貧乏社長の『後継者育成』

金持ち社長 経営を教える
貧乏社長 現場(営業・技術)を教える

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この記事の著者

NBCコンサルタンツ株式会社

NBCコンサルタンツ株式会社は1986年の創業以来、会計事務所を母体とする日本最大級のコンサルティングファームとして数多くの企業を支援しております。4,290社の豊富な指導実績を持つプロの経営コンサルタント集団が、事業承継、業績改善、人材育成、人事評価制度など各分野でのノウハウをお届けします。