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グレートリセットとは?グレートリセットに備えるために必要なこと

2023.02.08

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コロナ禍の経営においては、想定外への備えが必要です。世界のトップたちは、アフターコロナの社会をよりよくするために、グレートリセットを実現させようとしています。

この記事では、グレートリセットに備えるためにやるべきことや、中小企業向けの支援策について解説します。

目次

グレートリセットとは? 

グレートリセットとは、社会を構成する金融や社会経済などのさまざまなシステムをすべてリセットし、再構築することです。

この言葉は、アメリカの都市経済学者であるリチャード・フロリダ氏の本のタイトルとして作られました。

そして、2021年の5月、世界経済フォーラム(WEF)が開催するダボス会議のテーマが「グレートリセット」であったことから、注目を集めています。

※参考:NIKKEI STYLE
    『ダボス会議が問うコロナ後 未来に向けたリセットとは』
    (2020/10/31)
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO65105750W0A011C2000000/

さらに、2022年の「ダボス・アジェンダ」で、岸田総理大臣が演説し、グレートリセットについて言及しています。

今、我々は、Great Resetの先の世界を描いて行かなければなりません。新しい時代を切り拓くためには、価値観の違いを超えて対話を積み重ねることで置かれている状況、立場の違いを超えて対話を積み重ね ることで、多くの人が、信頼によってつながることが極めて重要です。

出所:外務省『「ダボス・アジェンダ2022」における岸田総理大臣の特別演説』

激動のwithコロナ時代、重要なのは「想定外」への準備と心構えであり、グレートリセットでは、あらゆるものがリセットされ、常識が通用しなくなる時代がやって来ると思われます。

グレートリセットが必要な理由

グレートリセットは、社会で生まれているひずみを解消するために生まれた考え方です。それでは、今どのようなひずみがあり、グレートリセットが必要とされているのでしょうか?

  • 社会における格差や不平等をなくすため
  • 労働者の権利を守るため
  • 労働力の自動化に技術革新などによる雇用市場の変化に対応するため
  • 環境問題や公害問題など資本主義経済は重大な問題を引き起こしている
  • コロナウイルス感染拡大によって、世界経済への影響が長引いている
  • 既存の社会や経済システムでは、新しい問題に対応しきれなくなっている

グレートリセットが起こると何が変わる?

グレートリセットがが起こると何が変わるのでしょうか?

企業株主の利益を第一とする「株主資本主義」ではなく企業や企業が従業員や、取引先、顧客、地域社会といったあらゆるステークホルダーの利益に配慮する「ステークホルダー経済」になると予想されています。

これによって、企業による適切な賃金の支払いや自然環境の保護が促進されます。

ESG投資が活発になる

ESGとは、Environment(環境)、Society(社会)、Governance(企業内統治)の略で、これらに配慮している企業への投資が増加しています。

環境破壊をしていたり、労働力を搾取していたり、情報漏洩の危機があったりする企業は投資リスクが大きいとされ、敬遠されていくでしょう。そうなると企業も変わらざるを得なくなります。

ICT技術やビッグデータがより活用される

グレートリセットは、デジタル革命によって身近になったICT技術やビックデータの活用を促進します。

ビデオ会議によって多様な専門家が一丸となって課題に対処でき、例えば、オンライン診療のように、どこでも医療サービスが受けられるようになるでしょう。

また、データを活用することで、より根拠のある施策の実施も可能です。

グレートリセットを実現するために

世界経済フォーラムでは、グレートリセットを実現させるためには、以下の3つの姿勢と取り組みが重要だとしています以下の3つだ。

  • 政府主導のステークホルダー経済の実現と公平なルールづくり
  • 持続可能な投資プログラムの活用
  • 分野を超えた協力

政府主導のステークホルダー経済の実現と公平なルールづくり

一つ目は、政府が、公平性のある市場を目指してかじ取りをしていくことです。例えば、税制や規制、財政政策を改善し、ステークホルダー経済のための条件を整える。

国によっては、富裕税の変更や、化石燃料補助金の廃止、知的財産権、貿易、競争を管理する新しいルールづくりなども含まれます。

持続可能な投資プログラムの活用

二つ目は、経済が停滞する中で、接続可能な投資プログラムをつくり、活用していくことです。

2020年12月、欧州理事会は、新型コロナ危機の影響により打撃を受けたEU各国の復興のため、7,500億ユーロ(約92兆円)というこれまでになかった大規模な復興基金(NGEU: Next Generation EU)を採択しました。新型コロナ危機からの復興とさまざまな政策分野にわたるEUの長期優先課題の支援のために資金が供給される予定です。これに続き、米国や中国でも大規模な景気対策基金が用意されています。

分野を超えた協力

そして三つ目は、分野を超えた協力です。例えば、健康や医療の分野では、新型コロナウイルス感染拡大に対し、企業や大学、その研究機関など分野同士が協力していました。その結果、オンライン診療などの新たな診断法や、治療法、感染症を追跡する仕組みの構築、交通の便が悪い地域での遠隔医療の提供などが行われてきました。このような協力を医療分野以外でも実現できれば、世界は確実に変わっていくでしょう。

グレートリセットへ備えるためにすべきこと

激動のwithコロナ時代、重要なのは「想定外」への準備と心構えであり、グレートリセットでは、あらゆるものがリセットされ、常識が通用しなくなる時代がやって来ると思われます。

中小企業の経営者がグレートリセットに備えるためには、コロナショックが長引くことを前提としつつ、事業継続のための対策・戦略を練りながらスピードをもって経営の舵を取り、情報・金融リテラシーを強化・高めていく必要があります。 

新型コロナウイルス感染症に関する支援策は多々ありますが、闇雲に支援策を探す前に、まずは、下記「やるべきこと」を確認してみましょう。

  1. 資金繰り予測表の作成。(最低6ヶ月先の資金の見通しを確認すること)
  2. 融資制度を活用し、金融機関からの資金調達を早急に実施する。
  3. 納税関係の猶予や軽減、減免等の申請を期限内に実施する。
  4. 雇用調整助成金の積極的活用。(緊急事態宣言を受け休業する場合)
  5. 税理士等の専門家へ常に相談し、最新の税制・情報を入手する。

当たり前のことであり、既に実行済みかもしれませんが「想定外」への準備を怠ることなく、今一度、できていないことを確認しながら、最新の情報・支援策を活用していきましょう。

中小企業向けへの支援策

最後に中小企業向けの主な支援策を紹介いたします。

<経済産業省>
新型コロナウイルス感染症で影響を受ける事業者の皆様に
ご活用いただける支援策
https://www.meti.go.jp/covid-19/pdf/pamphlet.pdf

[申請期限が近い主なもの]

  • 持続化給付金・・・・申請期限:令和3年1月15日
  • 家賃支援給付金・・・申請期限:令和3年1月15日

事業再構築補助金・・・申請期限:令和5年3月24日
URL:https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html

<中小企業生産性革命推進事業>

ものづくり・商業・サービス補助金・・・申請期限:令和5年4月19日
URL:https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/0101.pdf

小規模事業者持続化補助金・・・申請期限:令和5年2月20日
URL:https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/0102.pdf

IT導入補助金・・・申請期限:申請内容によって異なる
URL:https://seisansei.smrj.go.jp/pdf/0103.pdf

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この記事の著者

NBC税理士法人

「縁のあったお客様は絶対に倒産させない。」という志のもと、税務面、経営の全般的なサポート業務を行っています。顧客訪問数1200社以上のノウハウをもとに、会計監査などの税務相談や、事業承継、新規開業、相続などさまざまなノウハウを配信しています。