法人・個人に関わらず、日常生活の中で“生命保険”は皆様の身近な存在といえるかと思います。
生命保険には死亡保険・医療保険・がん保険・年金保険・介護保険などがありますが、
今回はその中でも“がん保険”についてお伝えいたします。
目次
─がんは若くても油断できない!
昨今は2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで亡くなる時代となりましたが「私はまだ若いから大丈夫!」
そう思っている方も多いのではないでしょうか?
2018年、国立がん研究センターは
『AYA世代(※)』について、がんの罹患率と種類別罹患率を初めて公表しました。
※AdolescentandYoungAdultの略で15歳から30歳前後までの思春期・若年成人世代のことを指す。
国立がん研究センターの推計によれば、1年間にがんと診断されるAYA世代は、約21,400人となっています。
AYA世代はさまざまなライフイベントが控える世代であり、どのような治療を受けてでも治したいと思う一方で、経済的に自立している・余裕があるとは言い難い世代でもあります。
すなわち、若い人でもしっかりとした保障を備えることが必要な時代となっているのです。
がんの医療費はいくらかかる?
いざ保険に加入しようと思った時
「何を基準に保険金額を設定すればいいのか分からない。」
「どんな保険に加入すればいいのか分からない。」
という方もいらっしゃいますし
「最低限の保障で、できる限り保険料は安くしたい。」
という方もいらっしゃいます。
そもそも、大きな病気にかかった時、治療にはいくらお金が必要なのでしょうか?
近年、医療技術の進歩により入院日数は短期化していますが、がんを含む三大疾病となると、入院日数は長期化する傾向にあり、医療費も高額になるケースが多いです。
2016年4月から『患者申出療養制度』がスタートしました。
この制度は「未承認薬などを迅速に保険外併用療養として使用したい」という困難な病気と闘う患者さんの想いに応えるため、患者さんからの申出をもとに安全性・有効性などを確認しつつ、できる限り身近な医療機関で受けられるようにする制度で保険適応外の治療を保険適応の治療と併用して受けることができるようになります。
ただし、この制度を用いて未承認の新薬を使用した場合、その薬代などは全額自己負担となります。
例)卵巣がんなどに有効とされているオラパリブという薬を1ヶ月投与:[患者申出制度適応での医療費]約110万円
上記のほかに病院までの交通費・入院時の日用品・差額ベッド代など、1日あたりの自己負担額は平均で1万9千円。
また、男女ともに罹患率の高い胃がん・大腸がん・肺がんでの平均入院日数は約20日と長く、医療費以外にもお金がかかります。
こういった費用の発生に、貯蓄だけで備えるのは難しいでしょう。
そこで、保険活用となるわけですが、よく中身を理解せずに【がん一時金100万円】というような保険に加入することは危険です。
最小限の掛け金で必要な保障を確保できるよう、私たち自身がこうした社会保障制度や医療制度について知識を持つことは重要です。
皆様が加入しているがん保険、いざという時の備えは十分ですか?
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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