人事評価制度の整備に対する助成と、運用1年後一定の要件を満たせばさらに助成を受けられる「人事評価改善等助成金」をご存知ですか?
今回は人事評価改善等助成金を受けるための要件と求められる労働分配率の改善について記載します。
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目次
人事評価改善等助成金
人事評価制度の整備に対する助成と、運用1年後一定の要件を満たせばさらに助成を受けられる「人事評価改善等助成金」をご存知ですか?
人事評価制度と賃金制度を整備することで、生産性向上・賃金アップ及び離職率の低下に取り組む事業主に対する助成です。
助成の内容は二つ。
一つは制度整備助成で整備計画を作成し、認定をうけ、制度を実際に実施すると50万円が助成されます。
もう一つは目標達成助成で、三つの要件を満たすと80万円が助成されます。
★さらに詳しい情報は下記まで★(厚生労働省HP)
人事評価改善等助成金
★平成30年度以降は下記まで★(厚生労働省HP)
人材確保等支援助成金(人事評価改善等助成コース)
人事評価改善等助成金の要件
これらの助成金を活用して人事評価制度を改訂する際には、タイミングが非常に重要です。
制度整備助成の要件
制度整備助成を受ける際には、対象となる労働者の賃金総額が2%以上増加する見込みであることが要件に含まれています。
つまり、労働者の賃金総額が2%増加すれば、あわせて割増賃金や社会保険料も増加するため、それを踏まえた短期~中期の業績予測・基盤が必要となります。
目標達成助成の要件
目標達成助成になると、さらに要件が増えます。
(1)人事評価制度等の実施日の翌日から起算して1年を経過する日において、「生産性要件」をみたしている(※)こと。
※直近の会計年度の生産性が、その3年前に比べ6%以上伸びている。
ただし、金融機関から一定の「事業性評価」得ている場合は、1%以上6%未満でも可。
※また、算定の対象期間中に、事業主都合の離職者を発生させていない。
(2)前項目(1)の実施された月の前月に支払われた賃金と比較して1年後に支払われる賃金の額が、2%以上増加していること。
(3)人事評価制度等整備計画を提出する前1年間の離職率よりも目標値以上に低下させること。
※雇用保険一般被保険者1~300人⇒離職率を維持
301人以上⇒1%以上改善
求められる労働分配率の改善
価値ある人事評価制度の改訂とは、助成金の要件にもあるように、生産性を向上させ、それに伴い従業員が昇給し、さらには職場環境の改善に伴い離職率の低下に繋がるものでなければなりません。
生産性を表す指標である労働分配率(人件費)÷(限界利益)
からも見て取れるように、人件費が増加するのであれば、限界利益も増加させないと労働分配率は上昇。
つまり生産性が低下することになります。
助成金を活用して人事評価制度の改訂を考えられている社長は、幹部や管理者の方々に、社員のモチベーションアップだけではなく、生産性を向上(=限界利益の向上)させる難しさ・厳しさも伝え、それを共通目標として各部門・個人に展開させるよう注意が必要です。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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