私は、今年5月に事業を承継し、現在はNBCコンサルタンツの代表取締役、NBC税理士法人の代表税理士として職務にあたっています。
私が、事業を引き継ぐにあたり、軸として心がけているのが「ガラス張り経営」、つまり「隠さない経営」です。
私がなぜ「ガラス張り経営」を心がけているのかご紹介します。
目次
実績や業績をはじめあらゆる情報を社員に公開
多くの会社で一部の経営陣にしか開示されていないクローズドな経営情報も、当社では積極的に公開しています。
会社の業績や支店の業績はもちろんのこと、会社の実状を映す主要なKPI(重点指標)や実績、競合との比較、社員一人ひとりの個人目標や実績などもオープンにしています。
加えて、社内の人事情報である平均年齢・平均勤続年数・平均年収・離職率なども、どのように推移しているか全社に公開しています。
当社は労働分配率経営を実践していますので、社員の個人目標は各々の給与に即したものとなっています。
当然、個人の目標を全社に公開するということは、事実上、社員個人の給与をも公開することを意味します。
このような情報は、一般的にはクローズドなものであり、公開していないという会社も多いでしょう。
社員に公開するメリット
では、なぜオープンにするのかと言えば、開示することによる効果・メリットがこの上なく大きいからです。
まず、会社のありのままの情報を隠すことなく公開するということは、社員を信頼していることの証であり、社員との信頼関係を強固にします。
そして、実状をつぶさに伝えることで、会社が進もうとしている方向に社員のベクトルを合わせることもできます。
本来、社員のベクトルや歩調を合わせることは決して簡単なことではありません。
経営トップに強力なリーダーシップや人間力があれば、引っ張ることができるかもしれませんが、2代目、3代目と代替わりをする際に、次世代の組織に同程度のリーダーシップ・人間力が引き継がれるとは限りません。
そこで、「ガラス張り経営」に行き着いたのです。
特に事業承継後の会社や社内がかみ合っていない会社におススメ
「ガラス張り経営」はどのような会社にもオススメですが、特に2代目、3代目社長の会社や、社内のベクトルが噛み合っていないと感じている社長にオススメです。
しかし、「ガラス張り経営」には、今まで隠していたものをオープンにすることで、社内の抵抗や反発が生まれるリスクも伴います。
「ガラス張り経営」を導入する際は、時間軸や開示する情報量・情報レベルを慎重に検討し、徐々に公開範囲を広げていくなどの注意が必要です。
是非、実践していただきたいと思います。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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