勝ち組企業は常に先を見ていて、資金計画においては6か月・1年先の資金状況を予測して、現時点でどのような対策をよいか検討しています。なぜ資金計画は必要なのでしょうか?
資金計画をしないことによるリスクをご紹介しますので、資金計画を立てていない経営者様は、この機会にぜひ資金計画を立てていただければと思います。
資金がある会社と資金がない会社には、ハッキリとした違いがあります。セミナーでは、なぜ資金が増えないのか?資金が増える思考法・戦略を公開!
目次
資金計画の重要性<1> 『主観』のリスク
勝ち組企業は常に先を見ています。それは、単に中長期の経営計画書を作成している、ということだけではなく、資金計画においては6ヶ月先、1年先の資金状況を予測して現時点でどのような対策を打てばよいのか検討しているという事です。
資金計画の必要性は、ズバリ「経営者の主観介入」の排除にあります。
なぜなら、会計処理は一つの事実に対して、異なった会計方針が認められていることから、損益計算書が示す利益は「経営者の主観介入」の余地があり、表面上の利益をある程度操作できる可能性があるためです。
資金計画の重要性<2> 『土壇場・どんぶり』のリスク
会社には出ていくお金と入ってくるお金があります。
出ていくお金には、本業で必要な商品や材料の仕入れ、設備投資、給料、事務用品費、水道光熱費等の経費や借入金の返済などがあります。
一方、入ってくるお金には、商品や製品の販売による儲け、銀行からの借入金、株主からの出資金(増資)等があります。
会社を永続していくためには、この「入りと出のバランス」を図り、資金が残るように長期的な視点で計画を立てなければなりません。土壇場になって、資金不足に陥って銀行に駆け込んでも銀行が融資してくれる保証はどこにもありません。
また、融資どころか、自社の資金状況を説明できなければ、どんぶり経営をしていると思われ、銀行から不信感をもたれてしまいます。
資金計画の重要性<3> 『売上至上主義』のリスク
日本企業においては、今でこそ『利益主義』へと意識が変わってきていますが、まだまだ多くの企業で『売上至上主義』の弊害が残っています。
これまでは「売上が社長の心を癒す」「売上が全てを解決する」という言葉があるように、とにかく売ることが全てでした。しかし、売ることに終始すると、取引先が倒産して不良債権を抱えたり、赤字取引をして資金繰りを悪化させたり、という恐れも招きます。
また、シェア争いから受注減少を食い止めるために新規開拓を強化し、取引も増えるが不良債権も増えるという現象も起きてきます。さらに、取引期間が長い先にはどうしても過度な信用を覚えてしまい、与信管理が甘くなることもあります。
常に先を見た先行管理と、将来予測から見た現状とのギャップとリスクを、利益対策のみだけではなく「資金」と言う観点から見ていく必要性があります。
必要運転資金の把握から!
まずは、会社の必要運転資金をしっかり把握する事です。
(棚卸資産回転期間 + 売上債権回転期間)- 買入債務回転期間
入金と出金のタイミングのずれを掴み、必要になる資金を把握することが、当初予測売上のずれ、当初予測利益のずれの原因分析に繋がります。資金が続かなければ、企業は継続出来ないので、資金の裏付けを常に正確に把握しておく、そこに資金先行管理の必要性があります。
「経営者の主観介入」のない正しい損益計算書から会社の「正常収益力」を明らかにし、資金先行管理も同時に行うことが、勝ち組企業になる為の第一歩である事を改めて確認して頂きたいと思います。
- なぜ資金が増えないのかわからない。
- 追加融資・借り換えを繰り返しており、借入金が一向に減らない、むしろ増えている。
- ゼロゼロ融資の返済目途が立たない。
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この記事の著者
NBC税理士法人
「縁のあったお客様は絶対に倒産させない。」という志のもと、税務面、経営の全般的なサポート業務を行っています。顧客訪問数1200社以上のノウハウをもとに、会計監査などの税務相談や、事業承継、新規開業、相続などさまざまなノウハウを配信しています。