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今再び……「北海道現象」

2020.11.04

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先日、札幌商工会議所で講演させていただきました。

異業種交流会を兼ねていたこともあり、
スタートアップした企業から業歴のある企業まで、さまざまな参加者が集い、
コロナ禍の厳しい環境をいかに生き残るか……真剣に学ばれていました。

今回の講演の中で「北海道現象」について、道外の視点からお伝えさせていただきました。

INDEX

北海道現象とは

北海道企業が道外からはどのように見られているのか、道内にいると意外とわからないものです。

これまで北海道は「ジャンボ機の後輪」と例えられるように

離陸時(景気浮揚時)は一番最後に上昇し、着陸時(景気後退時)は一番最初に下降する地域と呼ばれ、

景気浮揚の恩恵を受けづらい地方経済の典型的な地域として語られてきました。

人口減少・少子化・高齢化・過疎化・札幌一極化・低所得化・法人数減少と日本の多くの地域が現在迎えている諸課題をこれでもかというくらいに、もっとも先取りした地域と言われてきました。

言い換えれば「日本の課題先進地域」です。

このような課題先進地域の企業経営に関する講演では、厳しい話が冒頭に入ることが常でしたが、今の北海道は、地元から飛び出した小売業を中心に、全国区へと飛躍する企業が数多く生まれる地域へと変貌しています。

道内にいる時よりも道外にいる時の方が、北海道企業を意識することが現在では多いのです。

沖縄を訪れた際も、つい先日までJR九州資本のドラッグイレブンだったところに、現在はツルハホールディングス傘下のドラッグストアが入っていたり、ニトリが全国津々浦々まで出店していたりと、本州で道内企業を見ない日がありません。

家具小売最大手のニトリホールディングスを筆頭に、
ドラッグストア大手のツルハホールディングス、
道内最大手スーパーのアークス、
ホームセンター大手のDCMホールディングス、
調剤薬局最大手のアインホールディングス、
道内最大手コンビニエンスストアのセイコーマートなどが、
道外進出やM&Aなどをテコに業績を伸ばしてきました。

これをエコノミスト達は「北海道現象(※)」と呼んでいます。

※1990年代にメリルリンチ証券のトップアナリストであった鈴木孝之氏が
「北海道のようにもともと消費環境が厳しい地域では、不況になるとコスト競争力がモノをいう。ここで勝ち抜いた道内の小売業は全国に出て行っても勝てる可能性が高い」と分析し、北海道現象と命名した。

1990年代後半、バブル崩壊後の北海道拓殖銀行の破綻など、長く低迷していた北海道経済の厳しい環境で、効率的な店舗経営を磨き、デフレ経済の中で勝ち残った北海道出身の小売業が全国で躍進していきました。

今再びの北海道現象

では、今なぜ再び「北海道現象」なのでしょうか。

コロナ禍で再び、不況に強いコスト競争力を武器とした企業による、市場の席巻が生じています。

これは、節約志向が強まっていることが要因です。

西友や良品計画の大手小売業が値下げを発表するなど価格競争は今後さらに激化していくこの状況下で課題先進地域である北海道で育ち、給与所得水準の低いマーケットでローコスト経営を愚直に進めてきた北海道勢が力を発揮し、新聞紙上でM&Aや新規出店が常に伝えられる状況となっているのです。

中小企業は、危機的状況をバネにして自立・飛躍した北海道の小売業に学ぶべき点が多くあります。

弊社NBCグループも1986年創業の北海道発祥企業です。

創業期の早い段階で、絶対的に企業数の少ない北海道を抜け出して、全国6拠点に足掛かりの地盤を設けられたからこそ、現在の御支援先ともご縁をいただけました。

また、現在全国で中小企業の御支援に奮闘する多くのコンサルタント社員との出会いがありました。

この危機的状況をバネに進化できるかどうかが、結果的にその後の企業の盛衰を分けます。

私達は改めて、北海道現象から学ばなければなりません。

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