最近ご支援先から多くのご要望をいただくのが、心理学を活かした接客・クレーム研修です。
もともと、私自身心理学を専攻していたことや、接客・販売、サービス業の経験が多いこともあり、その知識と経験を整理して研修という形で提供させていただいています。
今回は、先日行った研修内容の一部をご紹介します。
目次
接客心理学研修の概要
以下が先日の研修プログラム内容です
接客力の秘訣は心理学にあった!<基礎編>~~接客心理学研修~~
【研修内容】
- パーソナルスペース
- 笑顔と笑い
- 顧客満足方程式
- 顧客を失う理由と不満解決
- I LOVE YOU(有)の法則
- ラポール形成
- 心理学30のテクニックwith事例
まず初めに、下記2人の言葉から研修を始めました。
売り場生産性がギネスにのるアメリカのスーパースチュー・レオナードのレオナード社長の言葉
われわれの仕事は顧客を幸せにすることである。
常に覚えておきなさい。
満足した顧客だけが再来店してくれるということを。
そして顧客なしには、われわれのビジネスは存在しない。
利益はご褒美であり、決して権利ではない。
つまり、満足していただいた顧客からの賞賛の証なのである。
人気レストラン NOBU の総料理長森本正治氏
この世の中に美味しい物は存在しないと思っている。
食べ物って、環境や気持ちや体調、
それらがすべて揃って初めて美味しくなる。
まったく同じ料理が、今日は美味しくても明日も美味しいとは限らない。
「味覚」は「感覚」なのです。
だから僕が考える美味しさとは、
レストラン予約の電話から始まっていると思っている。
電話を受け取った人の対応、
ドアを開けたときの雰囲気といったことのすべてが大切で、
料理の美味しさだけが本当の美味しさではない。
つまり、、、
料理の美味しさ保証+もてなす心(接客力)が重要であり、
購買決定の9割は、感情的な要因で決まっているということ。
人間は、論理で正当化して感情で決める生き物です。
このような言葉を紹介しながら、パーソナルスペースの話に入ります。
パーソナルスペース
『パーソナルスペース(英:personal-space)とは、他人に近付かれると不快に感じる空間のことで、パーソナルエリア・対人距離とも呼ばれる。
一般に女性よりも男性の方がこの空間は広いとされているが、社会文化や民族、個人の性格やその相手によっても差がある。
また一般に、親密な相手ほどパーソナルスペースは狭く(ある程度近付いても不快さを感じない)、逆に敵視している相手に対しては広い。
相手によっては(ストーカー等)距離に関わらず視認できるだけで不快に感じるケースもある(出所:ウィキペディア)』
パーソナルスパースと信頼関係構築の関係性やパーソナルスペースに入るための方法などを実践しながら学びます!
パーソナルスペースに入るための方法
握手
一つ目は、握手です。握手をすることで警戒されることなく、パーソナルスペースに入ることが可能です。
笑顔
次に、笑顔です。接客は笑顔で始まり、笑顔で終わります。言うまでもなく、接客の基本の「き」。
シンプルですが、笑顔は顧客に喜んでいただく最高のツールです。
誰しも大切なことはわかっていますが、実践となるとなかなか難しいものです。
顧客満足方程式
事前期待と結果がイコールの状態で満足してはいけませんよ!お客様の期待を超えられるかどうかが重要です。
<< 顧客満足方程式 >>
- 事前期待<結果○合格
- 事前期待=結果△もう一歩
- 事前期待>結果×不合格
お客様の事前期待を明確にし、期待を超える対策を見える化・仕組化しなければ、真の顧客満足は得られません。
顧客を失う理由と不満解決
アメリカでは、何もしなければ毎年20%の顧客が離れていくと言われています
毎年20%の顧客が離れるとなると、10年後にはなんと10%しか残りません。つまり、客数90%ダウンです。売上や利益に換算すると恐ろしいですね。
そもそも顧客を失っている要因は何か?商品・サービス・その他の切り口で紐解いていきましょう!
頭ではわかっていても、現実の統計データを見ると驚きです。
不満が解決されたか否かによる再購買・再利用率についても学べば、不満をすぐに解消することが重要だということを再認識できます。
I LOVE YOU(有)の法則
顧客はシンプルで、その本質的心理は、
- (1)重要視されたい(Importance)
- (2)好感視されたい(Love)
- (3)有能視されたい(有)
の3つです。
どうすれば、本質的心理を満たせるか、それぞれ分析と対策を講じましょう。
ラポール形成
顧客に選んでいただけるためのラポール(心の架け橋)を築く手法です。
親近感から信頼関係へ
- (1)相手の良い点を見つけて褒める
- (2)共通点を見つける
- (3)傾聴、受容、共感
心理学30のテクニックwith事例
影響力の武器(ロバート・チャルディーニ)を参考に次の内容を実際の事例に当てはめて検討してみましょう。
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- 返報性・・・・・人は親切に報いようとする
- 好意・・・・・・人は好感度を抱いた相手にはイエスと答える傾向が高まる
- コミットメントと一貫性・・・人は自分の行動に対して筋を通す
- 希少性・・・・・人は何を希少だと見なすと、価値を高く評価する
- 権威・・・・・・人は専門家や権威のある立場の人の判断に従う
- 社会的証明・・・人は他の人と同じことをしようとする
以上を基本として、次の法則なども学んでみましょう。
好意の返報性/ドアインザフェイス/フットインザドア/
メラビアンの法則/ハロー効果/バンドワゴン効果/
バーナム効果/ローボールテクニック/ラポールトーク/
ミラーリング効果/バックトラッキング/相づち法/
イエスバット法/オープンクエスチョン/クローズドクエスチョン/
プラシーボ効果/アンカリング効果/ザイオンス効果/
カクテルパーティー効果/両面提示と片面提示/マジックナンバー3とマジックナンバー7/
ピグマリオン効果プライミング効果/ロミオとジュリエット効果/噴水効果とシャワー効果
心理学のテクニックは数多く存在します。
実践で活かせるものは、ぜひ活かしてもらうことをオススメします。
接客だけでなく、クレーム対応などにも活用ができます。
今回ご紹介したものは、どれも「当たり前」の内容かもしれません。
しかし、誰しも大切なことはわかっていますが、実践となるとなかなか難しいものです。
今一度、接客の基本に立ち返り、徹底してみてはいかがでしょうか。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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