経営者研修は、企業のトップが経営の舵取りを行う上でベストな要素を提供し、会社の成長を実現するためにとても有効な選択肢です。このコラムでは、経営者に求められる素養の話から、それらを補う研修の種類、お勧めの研修までを網羅的にご紹介します。
目次
第1章 経営者研修の重要性
経営者研修は、企業のトップである経営者が今の状況を打破し、成功へのカギを握る戦略の一つです。
中小企業の経営者にとって、こうした研修は必須の要素と言えるでしょう。なぜなら、経営者研修を受けることは、経営者自身のスキル向上だけでなく、企業全体の成功につながるからです。
1.経営者のスキル向上
経営者研修は、経営者のスキルや知見の向上に重要な役割を果たします。
経営者という仕事や役割、求められる素養は多岐にわたり、ひとことで標榜することも難しい、難易度の高いものです。
創業間もない経営者はもちろんのこと、何十年も経営者として企業を統治してきた方にとっても、「スキルや経験は充分に備えた」と言いきれることはありません。
自身に足りていない、身につければもっと会社が成長するような要素や、新たなリーダーシップスキル、そして経営戦略などの習得により、経営者はより効果的な意思決定ができるようになります。それにより会社は総力を高め、持続可能な成長につながります。
2.新たな視点の獲得
経営者研修は、経営者に新たなビジョンと視点を差し出してくれます。
VUCA(ブーカ)な時代と呼ばれるように、昨今のビジネス環境は大きく変化しており、その変化のスピードの速さはとどまることを知りません。
誰もが経験したことのないような経営環境が今もこの先も訪れ得ることを示しています。
新型コロナウイルス感染症の蔓延や、その前後でのDX(デジタルトランスフォーメーション)の著しい発達、ウッドショックやロシアのウクライナ戦略を契機としたエネルギー価格の高騰、イールドカーブの歪みによる企業金融への影響など、これらを中小企業経営者が一体どれだけ予測し、あるいはどれだけ即時適切な対応がとれたでしょうか。
経営者研修では、経営者が今までよりも一層、賢明な意思決定を行う力や、会社を、そして従業員を動かすうえでの新たな視点を掴むことができます。
経営者の「気づき」には終わりがなく、気づきを企業統治の方策に取り入れることにも終わりはありません。
今の経営は、もっとよくすることが出来るのです。
3.成功事例の紹介
経営者研修の効果は、数多くの事例で証明されています。多くの中小企業が経営者研修を受け、その成果を上げています。「あの時あの研修を受けていたから」という声は、年齢層問わず多くの経営者から耳にします。
独学、我流ももちろんよいでしょう。感覚的に、且つ理性的に、経営に必要なことを吸収し、実行し、成功を収める経営者もいます。そのような方々も、日頃情報や新しい動きに耳を傾けずに仕事をしているかというと、そうではありません。また、ずっと成功ばかりを収め続けてきたわけではない、という経営者も成長企業の中には多くいます。つまり、失敗もあるのです。
「こうするとよい―。」その答えが、人生のうちのわずかな時間で効率的に、且つ網羅的に入手できる研修の機会があるならば、それを使わない手はありません。
何が1番大切か、それは、質とスピードです。
自社と自身に合った良質な経営者研修の情報をキャッチアップし、最短でそれを取り込むことは、‟経営者業”に多くのメリットを生み出します。
誰しもが現時点で100%完璧な経営者であることはないのです。
既に力をつけている経営者が、新たなスキルや視点を持つことは、現状の打破と飛躍的な企業の成長と発展につながります。
成功を収めるご年配の経営者ほど、幾つになっても謙虚で腰が低く、何より、『学ぶこと』を止めません。有名なところでいえば、稲森和夫氏や松下幸之助氏がわかりやすい見本と言えるでしょう。
第2章 自社の経営課題と経営者研修の意義
中小企業経営者は現在、さまざまな課題に直面しています。会社、企業、組織である以上、課題が尽きることはありません。
これらの課題には、経営者研修が効果的にアプローチできます。
以下では、主要な課題とその研修による対応や支援について詳しく説明します。
1.競争激化への対応
現代のビジネス環境は競争が激化しており、企業は市場での存在感を維持するために常に進化しなければなりません。経営者研修は、競争に対処し他企業を凌駕するための新たな戦略とツールを提供しますし、経営者に「これが問題だったのだ」「ここをこう解決していけばいいのだ」という気づきを与えます。
経営者の進化は、自社の進化に直結するのです。
2.デジタル化と技術の変化
テクノロジーの進化は経営に大きな影響を与えており、デジタル化や新技術の活用が必要です。一部の経営者研修は、デジタル戦略の進め方やテクノロジーの導入に関する知識を提供し、企業がテクノロジーの変化に適応する手法を提供します。また、経営者が新しいデジタル戦略の考え方を身につけることで、テクノロジーを戦略的に活用できるリーダーを育てることにも寄与します。
ただし、デジタル化や技術の進化といった分野については、出来れば経営幹部、あるいは事業責任者に託したいところです。多様な仕事が必要になる経営者が1からその分野を学ぶことは得策とは思えません。自社に合ったものを取捨選択し、必要な技術を経営者の前に差し出すような経営幹部やリーダーを育成することが好ましいともいえます。
中小企業の経営者がすべきは、デジタルやテクノロジーの進化に対し、不得意ゆえに目を逸らすことのないよう留意し、まずは自社でも出来ないか、と柔軟に対峙する姿勢を持つことでしょう。
3.次世代の経営者育成
サクセッションプランニングという言葉を以前より耳にする機会が増えているように、後継者の育成は中小企業にとって重要な課題の一つです。
2025年問題も間近に控える今、質の高い経営者研修は、後継者に経営に必要なものを伝え、企業の未来のリーダーを育てる役割を果たします。後継者が現場で知見を学ぶだけでなく、外部にて必要な知見を体得することにより、その会社の連綿とした成功を確保し、組織の持続可能な成長を支えます。
冒頭でVUCA(ブーカ)時代について触れましたが、これからの経営は、これまでのそれよりも一層の経営力が求められます。先代と同じ経営は通用しなくなってきますし、他を単純に真似するだけでは問題に対処しきれなくなることが想定されます。
つまりは、後継者自身が本当の意味で力をつけなければ乗り越えきれない環境に囲まれているのです。
次世代の経営者である後継者、あるいは今の経営幹部候補は、「スキル」と呼ばれる手練手管の前に、人間的な力をも身につけなければいけません。頭でっかちな知識だけでは、人がついてこず、人がついてこなければ経営業は立ち行きません。
人間的な力、経営における心構えなどは、まずは現経営者から直接学びとることが大切です。どのような考えや価値観で経営してきたのか、組織をまとめるには何が要諦となるのかー。
様々な戦略やシステムは、経営者のそうした「思想」や「人間力」のうえに成り立ちます。
しかしながら後継者が現経営者から直接学ぶことには、利害関係や感情が入り、なかなかうまく進まないのが実態です。
そうした際にも、第三者の運営する経営者研修が活用できます。
出来れば、後継者、あるいは次世代の幹部候補・リーダーなどが一緒に参加でき、現経営者から会社に対する思いや経営において大切にしてきたことなどが共有できる場があるとよりよいでしょう。
4.人を育てる力と人心掌握のスキル
一部の経営者研修は、経営者に対して、人を育てる力や心を掌握するスキルを磨く機会も提供します。経営者研修はコミュニケーション、チームビルディング、人材育成などのトピックを大切に、経営者がリーダーシップスキルを向上させ、従業員を引き込む力を育てるプログラムもあります。
人を育てる力と人心掌握ー。
経営者と従業員との距離が近い中小企業経営では、特にこの力が求められます。
どれだけ頭脳明晰でも、「この人についていきたい」と従業員、あるいは次世代の幹部が思えない場合、互いに苦しく不幸な状況が続いてしまいます。
従業員との関係が一度こじれてしまうと、信頼を得て会社にとって良い動きをしてもらうまでには、こじれるのにかかった時間の数倍の時間を要します。
社員とその家族、ステークホルダーの生活を背負う経営者そして後継者には、最も必要なスキルと言えるでしょう。
また、会社は「人」の集まりです。それぞれの人を育てなければ、その会社に成長はありません。人手不足、採用難といわれる中小企業の現場においては特に、今いる、あるいはこれから入社してくる全ての従業員を育てる力がこれまで以上に必要となります。
昔と異なり、この仕事、この会社に惚れて入社した、という若者は少なくなりました。
何となく入社した、条件がよいから入った、というような社員に対しても、業務内容だけでなく、会社が大切にする考え方含め、教えて育て、会社の戦力になる人「財」になるよう成長させていかねばなりません。
人を育てる力と人心掌握のスキルは、非常に重要です。
第3章 研修プログラムやサービスの種類と内容
研修プログラムは多様で、各社様々なテーマと内容を提供しています。以下でプログラムの一部の紹介とその内容についての詳細です。階層別もあわせてご紹介します。
1.幹部向け研修
幹部向け研修プログラムは、企業経営と経営者を支える幹部層向けに設計されています。このプログラムではリーダーシップ、戦略策定、組織の最適化などが注目されます。幹部としての力を向上させ、戦略的な決定を行う能力を養います。サクセッションプランにこうした研修内容を取り込むこともよいでしょう。
2.後継者育成プログラム
経営者の後継者には、経営の全般的な知識やスキル、考え方、視座を高め意思決定を行うために必要なものなどを伝え、体験する必要があります。
後継者プログラムには事業戦略、リーダーシップスキル、ロジカルシンキングなど多種多様の内容を含むプログラムがあり、後継者の成長をサポートします。幾ら優秀な後継者でも、経験はすぐに積めません。基本の実務で得られる経験以外に、彼らの力を補完し、強化してくれる最適な研修に時間投下することは必要な投資といえるでしょう。
3.リーダーシップ向上プログラム
リーダーシップ向上プログラムは、組織内の管理職やリーダーに焦点を当て、コミュニケーションスキル、チームビルディング、リーダーシップスタイルの開発や養成などを提供します。これにより、リーダーは部下や現場従業員、若手の社員のモチベーションを高め、チームの協力を促進し、社内で課せられた目標の達成に貢献します。
幹部向け研修や後継者育成プログラム、リーダ一シップ研修などは、研修内容がコースとしてパッケージ化されているものが多いです。通い型や派遣・訪問型など、提供会社によって実施形態も異なります。上級のコースや、中級、入門編など、参加者のレベルに合わせて内容が異なるものや、ワークショップやケーススタディを取り入れた形式もあります。リーダーの成長は組織開発の礎となります。強いリーダーが育てば、組織の活性化と経営の強化につながります。ただ、理論が実務と結びつきにくいものもあるので、受講の際は注意しましょう。
4.経営戦略と計画・ビジョン設定プログラム
経営戦略とビジョン設定プログラムでは、企業の長期的な戦略検討や立案、計画の策定についてや、競争力の獲得に関する知識を提供します。経営者は理念に基づいてビジョンを明確にし、組織の方向性を設定し、競争相手に差をつける戦略を練ることを学びます。
5.経営者セミナー
経営者や経営幹部向けのセミナーの活用も有効です。経営者向けセミナーでは、短時間で有益な情報や、経営や経済トレンドなどを習得出来るものがあります。時流に合わせた経営セミナーも多く開催されています。コロナ禍を経たことで、オンラインセミナーの実施も以前よりかなり多くなり、気軽に参加出来るようになりました。また、経営セミナー動画のコンテンツ配信も増えています。
オンラインセミナーやコンテンツ配信が増える一方で、リアル会場でのセミナー聴講もさかんに行われています。オンラインではなく敢えて会場に足を運ぶことで、講義に集中する環境をつくろうと考える経営者も多くいます。
第4章 研修やセミナーを探す上での注意点
研修を探す際には、注意も必要です。時間と費用の投資対効果を最大化させつつ、研修受講のチャンスを逃さないようにしましょう。
主な注意点は3つです。
- 自社の要望・目的にかなった内容の研修を選ぶこと
- なるべく実務に活かせる研修を選ぶこと
- 「時間がない」「忙しい」という概念をまず捨てること
①自社の目的にかなった内容の研修を選ぶこと
②なるべく実務に活かせる研修を選ぶこと
上記の2つは関連しています。
階層別研修に特にありがちですが、スキル体系などが大きくパッケージ化されている研修は、もちろんそれ自体意味のあることですが、やもすると得た知識を実務で活かしきれず、「学んだ」「知った」で終わってしまうケースが少なくありません。
体系やフレームワークばかりを学習・演習しても、会社に戻った時、現場の社員を動かすにあたってすぐにそれらの理論がすぐに活かせるかというと、そうでないこともあります。
「研修に行かせたけれど本人が全然変わっていない」という言葉は、管理者などを通いの研修に行かせた経営者からよく耳にする言葉です。
研修で学んだことを活かす場が社内にないのか、あるいは、学びに行った受講者自身に行動化する力や気概がないのか。うまくいかない要因は様々です。
出来れば、自社に関わる情報を用いれる研修や、受講者自身に知識の「吸収」と「実行」とを【喚起】させる仕掛けが含まれた研修であることが望ましいでしょう。
その仕掛けがないと、研修内容に強い必要性を感じ、前向きに参加した人しか吸収できない時間となってしまいます。
研修をする側も、全ての受講者が自らの意志で学びにきた、という前提を捨て、受講生が前向きに学べるよう工夫が必要です。
③「時間がない」「忙しい」という概念をまず捨てること
研修に参加する時間がない、忙しいと口にする経営者もいますが、成長企業の経営者や敏腕のやり手創業社長ほど、研修への参加判断が早い傾向にあります。
何に時間を使うべきかを理解しているのです。
経営者が時間に追われているのは当然のことです。それは、現場をあずかる役員や幹部、管理者も同様です。しかし、今時間がなければ、これからも時間が空くときはやってきません。常に忙しいのです。
時間は作るもの、という考えのもとで自社に合った効果的な研修やセミナーを探すと、前向きで建設的な情報収集ができるでしょう。
第5章 おすすめの経営者研修
最後に、上記でご紹介した経営者研修の効果的な要素が全て詰まった、おすすめの経営者研修プログラムをご紹介します。
『実践社長塾®』
開催頻度:毎月
開催地:札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・福岡
『実践社長塾®』は、計数を使った業績改善指導と人材教育に強いNBCコンサルタンツ株式会社が毎月提供している2日間の経営者研修プログラムです。
NBCコンサルタンツは、全国主要拠点に事業所を構え、全国の中堅・中小零細企業の経営コンサルティングを本業としている国内最大級のコンサルティングファームであり、研修が本業ではなく、中小零細企業の「経営改善」であることが大きな特徴です。
会計事務所を母体としたコンサルティング会社であることから、精神論ではなく「数字の改善」を成果と考え、コンサルティングに取り組む会社です。
受講対象者は、「経営者・後継者・幹部役員」とされており、経営者・後継者・幹部とが「一緒」に受けることで最大の効果を発揮します。
この研修においてテキストとなるのは、一般的な講義テキストのみではなく、受講する経営者自身の会社の「決算書」と「社風調査」の分析結果です。
つまり、自社の数字・成果が研修のテキストとなります。
受講者は事前に、財務をはじめとする決算書の分析と全社員のアンケート調査を実施し、その結果を自社の課題と照らし合わせながら研修に臨みます。
一般的な内容のテキストではなく、自分の会社の分析結果がテキストとなることから、受講者は講義内容や改善方法に関心を持たずにいられません。
4期分の決算書分析で、自社の利益率や生産性の推移等を見ながら、数値上の課題を把握します。そしてその原因を、社風調査をもとにしながら、社内での取り組みや方針、経営者のオペレーションや考え方、幹部、管理者の働き、社内の仕組みなどのどこにあるのかを見極めつつ、現状の課題を引き起こしている要因の特定と、そうなった理由を徹底分析の上、あるべき姿に進めるための改善の方向性を、2日間の研修を通して完全整理します。研修後には自社の改善方針と実行タスクが出来上がっている状態です。
経営の、目に見える結果である決算書と
その数字を作り上げる社内風土・社員の意識や
会社の仕組みの機能度合いを可視化できます。
「実践社長塾🄬」の講師は、中小零細の現場で実際に活躍しているコンサルタントです。高みから物を言うのではなく、お客様の現場で一緒に作業着を着て、共に経営改善を進めることを日頃行っているようなトップコンサルタントが登壇します。
講師とスタッフは、受講者の企業の問題を自分事のように考え「どうしたら問題を打開出来るか」について受講者と一緒になって向き合い、経営ノウハウや他社事例の展開をしながら受講者全体と個社別に対応を行います。
講義内容は、経営の理論はもちろんのこと、座学に終わらない、その日から実践できるノウハウや気づきの体得機会とで構成されています。
中でも、全社の労働生産性を高める計数管理の仕方や、社員への評価と還元の仕方、それに伴う意欲動機付けの仕組みづくりのノウハウや、人を育てる方法、人心掌握の仕方、経営者・後継者・幹部とで互いを理解し合うことの出来るプログラムや、受講者各自が自らを振り返ることが出来るプログラムは、多くの中小企業経営者から絶賛されています。仕組みの作り方だけでなく、運用・経営していく上で阻害要因となる人間関係における問題の解消にも取り組み、明日からの経営をやりやすくします。経営陣の意思疎通や結束が図れることにより、実行スピードに拍車がかかるのです。
やらされ感で参加した受講者も、研修が終わる頃には表情が変わり、憑きものがとれたような晴ればれとした顔つきで自社に戻っていきます。感想には「社に戻ってやるべきことがわかった」「経営の理論から人としての在り方まで学ぶことができた」「親である社長と腹を割った話ができた」「後継者の考えがよくわかった」「社長の考えていることがようやくわかりました」などの声が並びます。
以下に、NBCコンサルタンツが提供する、実践社長塾の概要を転記します。
いかにすばらしい戦略・管理手法・システム・ノウハウ・人事制度も、それを運用するのは「人」であり、「人が変われば、会社が変わる。」という考えのもと、25年間一貫して、人の意識改革からの会社の改善のお手伝いをしてきました。 その研修である、
「実践人財塾®」の社長版として生まれたのが、「実践社長塾®」です。
Point1 問題の本質は社内にある。
会社における問題点の95%は、内部、特に人にまつわる部分にあります。
どんなに外的環境を嘆いていても始まりません。全ての問題は、最終的に自社が、そして自分自身が変わることでしか解決しません。
「過去と他人は変えられない。自分と未来は変えられる。」
会社の未来を切り開くためには、社長、あるいは後継者や幹部自身の変革から始まります。
Point2 会社の問題点は、社長(経営陣)自身の問題点。
実践社長塾®では、HM調査(ヒューマンマネジメント調査)を通して、社長と受講した後継者・幹部の性格(考え方・思考・行動の仕方など)分析を行います。このHM調査の結果と会社の決算書の分析を重ね合わせると、社長をはじめとする経営陣の長所・短所と、会社の強み・弱みが密接に連動していることが見えてきます。
会社の問題点とは、実は社長(経営陣)自身の問題点であることに気がつきます。
Point3 商売せずに経営をする。
HM調査と決算書分析の結果から、自らの経営を見直します。「商売と経営は違う」真の社長として、経営を行うために大切なことは何かを、自らのHM調査の分析と自社の決算書の分析から実践で身につけます。経営をする上で重要なこと、それを社長・後継者・経営幹部とともに共有化し、会社の新たな未来を切り開くスタートとなります。
- 経営の本質を学ぶことができる。
- 会社の歴史を振り返り問題点の本質を見出すことができる。
- 会社の方向性と未来に向けた指針を見出すことができる。
- 社長として自身がなすべきことを見出すことができる。
- 後継者や幹部は、社長が何を考えているのかに触れることができる。
- 社長・後継者・幹部役員が一緒に参加することでベクトル統一を図ることができる。
第6章 まとめ
経営者の学びに終わりはない―
経営者は常に変化するビジネス環境に適応し、ビジネスと人とを動かす最も困難な生業の一つです。企業の、そして経営者の成功へのカギは、絶え間ない学びと成長にあるのです。経営者研修を考える際のアドバイスを最後に4つ記します。
- 忙しさを研修に参加しない言い訳にしないこと
- 素直さを忘れず、幾つになっても学びと吸収を続ける姿勢を維持すること
- 自分が力不足だから学ぶ、ではなくまだまだ成長の余地があると捉え、積極的に受講すること
- 当事者同士(社長↔後継者・幹部/後継者↔幹部等)で遠慮が発生する場合は、外部を上手く活用すること
経営者研修は中小企業の成功への鍵を握る戦略の一部となります。
会社や経営者がどのようなフェーズにいても、新たな知識、スキル、視点を獲得し、企業を成功に導くための重要で確実なステップとなるのです。
中小企業経営者は経営者研修への投資を検討し、自身と企業、そして従業員の未来を明るくするための第一歩を踏み出していかれるとよいでしょう。
時間は有限ですが、長い企業人生における研修の時間はほんの一時(いっとき)です。
連綿とした環境に身を置き、絡まりあった問題課題と対峙し対策を続ける中で、少しでも立ち止まり、抜本的な改革や改善の一手を打ち出す力や知恵を、経営者研修の利用で自社にうまく取り入れることが成長を加速させる英断となるでしょう。
経営者・後継者・幹部を対象とした2日間の研修。経営の本質を学び、自社を振り返る中で、経営課題を明らかにし、改善の方向性と未来に向けた志を築くことを目的としています。事業承継における親子の関係や、成長企業における社長と幹部の温度とレベル差もこの研修が解消に導きます。強くしなやかな『経営陣』づくりに―。
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