最近多くのご要望をいただき心理学的見地からのクレーム対応術研修を行っています。
今回はその一部をご紹介します!
目次
顧客離れ・客数減少を助長する原因
アメリカの小売業では、毎年平均20%の顧客を失うといわれています。つまり、お客様の5人に1人は二度と利用してくれない……。
なかなか厳しい数字です。
それでは、お店に不満を抱いたお客様のうちその不満をクレームとしてお店に伝える方は、何%くらいだと思われますか?
グッドマンの第一法則によると、答えは「4%」です。
残りの96%のお客様は黙って店を去り、それだけではなく、さらに周囲の10人以上にそのお店の悪評を流すそうです。それを聞いた方がまた10人に話をすると……。
これが、顧客離れ・客数減少を助長する原因なのです。
ここから「顧客がクレームを言いやすい仕組み」と「問題の早期解決」が重要であることは理解いただけるでしょう。
また、苦情を素早く・きちんと解決した場合は「誠意がある対応」と評価され、逆にお店のファンになる可能性が高くなります。
クレーム対応の6つのステップ
下記は、クレーム対応のステップです。
- 【1】怒りや不満をすべて表現させる。
- 【2】謝罪する。間違っても言い訳をしてはいけない。
- 【3】客の苦情・怒りを理解したことを分からせ、かつ苦情を言ってくれたこと感謝を述べる。
- 【4】顧客の立場に立って解決策を見つける。
- 【5】機能的な解決策にプラスワンをする。
- 【6】解決策が十分機能したかフォローアップする。
参考:ドラッグストア研究会ホームページ
感謝の言葉は反論しづらく、要求を増大させにくい
ここで注目したいのは【3】です。
こちらの商品やサービス・対応の不備からクレームになった場合は、当然のことながら、まずは満足いただけなかったことに対しての深いお詫びが必要です。
しかし、お詫びばかりでは「謝ってくるということは、間違いを認めているのだからこちらの要求も全部呑んでくれるんだな」と相手の要求が増大していきます。
そこで、お詫びの言葉だけではなく、何かしらの感謝すべき点を見つけ「ありがとうございます」と感謝の言葉を伝えましょう。
実は、感謝の言葉「ありがとう」には『反論しづらく、要求を増大させにくい』という効果があります。要求がエスカレートする前の早い段階で、感謝を伝えてみましょう。
感謝すべき点は下記のように、探せば無数に見つかるはずです。
「お忙しい中、ご連絡いただきありがとうございます。」
「貴重なご指摘をいただきまして、ありがとうございます。」
「こちらの話も親身に聞いてくださり、ありがとうございます。」
「弊社の商品を購入してくださり、ありがとうございます。」
「冷静にお話しくださり、ありがとうございます。」
ぜひ、一度試してみてください。
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NBCコンサルタンツ株式会社
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