「キャッシュリッチ」という言葉をご存じでしょうか?キャッシュリッチは、資金の収支を改善して、会社にお金や流動資産を残していこうという行為のことです。
キャッシュリッチで経営で重要なのは、限界利益とキャッシュ・コンバージョン・サイクルなのですが、今回はキャッシュ・コンバージョン・サイクルについて説明します。
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目次
キャッシュリッチとは?
キャッシュリッチ」という言葉をご存じでしょうか?ほとんどの人にとって、初耳だと思います。普通はキャッシュフローと言うからです。
キャッシュフローとは資金の収支のことを言います。
対して、キャッシュリッチというのは、資金の収支を改善して、会社にお金や流動資産を残していこうという行為のことです。
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キャッシュリッチ経営で特に重要なことは、“キャッシュ・コンバージョン・サイクル”と“キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)”です。
今回は、キャッシュ・コンバージョン・サイクルについて、簡単に説明したいと思います。
■キャッシュ・コンバージョン・サイクル(CCC)とは?
仕入れから販売までに伴う現金回収期間をさし、下記の計算式で算出します。
売上債権回転日数 + 棚卸資産回転日数 - 仕入債務回転日数
この日数が小さいほど、企業の資金繰りが良くなることを意味しています。
債権の回収が早く、在庫期間は短く、仕入れにかかる支払いが長ければ非常に資金繰りが楽です。
各項目の算出方法は以下の通りとなります。
◆売上債権回転日数 …… 売上債権÷年間売上高×365日
→改善するには「売上債権は小さく」「年間売上高は大きく」
◆棚卸資産回転日数 …… 棚卸資産÷年間売上原価×365日
→改善するには「棚卸資産は小さく」「年間売上原価は小さく」
◆仕入債務回転日数 …… 仕入債務÷年間売上原価×365日
→改善するには「仕入債務は大きく」「年間売上原価は小さく」
それぞれの計算式から、キャッシュ・コンバージョン・サイクルを短縮させることが、運転資金と利益を改善し、キャッシュリッチな経営につながることをご理解いただけるかと思います。
帳簿上で利益が出ていたとしても、実質のキャッシュがないと会社は倒産するわけですから、経営者が徹底してこだわるべきことは、キャッシュ……つまり「預貯金の残高」です。
「そんなことは当たり前だ!」と感じるかもしれませんが、目先の売上だけを追い求め、銀行融資など、その場しのぎの対応をしてしまい、経営の本質を見失っている企業も少なくありません。
ぜひ自社のキャッシュ・コンバージョン・サイクルの推移を分析し、資金収支を見直し・改善してみましょう。
- なぜ資金が増えないのかわからない。
- 追加融資・借り換えを繰り返しており、借入金が一向に減らない、むしろ増えている。
- ゼロゼロ融資の返済目途が立たない。
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この記事の著者
NBC税理士法人
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