平成28年12月、中小企業庁が「事業承継ガイドライン」を10年ぶりに改訂・公表しましたが、依然として中小企業の「事業承継問題」は、喫緊の課題です。
今回は、事業承継の現状と事業継承から考える経営戦略について解説します。
目次
事業承継ガイドラインが10年ぶりに改訂
平成28年12月、中小企業庁が「事業承継ガイドライン」を10年ぶりに改訂・公表しましたが、中小企業における「事業承継問題」は、依然として喫緊の課題である事実に変わりはありません。
※その後2022年3月にも5年ぶりに改訂しています。
中小企業庁が平成29年7月に策定・公表した「事業承継5ヶ年計画」にも記載されていますが、経営者の方は下記をどれ程、認識・把握しているでしょうか?
事業承継の現状
[1]中小企業経営者の高齢化(66歳の経営者が最も多い)
今後5年間で30万人以上の経営者が70歳になるにもかかわらず、6割が後継者未定。
[2]高齢化が進むと企業の業績が停滞、売上増は70代で14%、30代で51%。
[3]70代の経営者でも承継準備を行っている経営者は半数
後継者難による廃業の可能性
[1]60歳以上の経営者のうち、50%超が廃業を予定しており、特に個人事業者においては、約7割が「自分の代で事業をやめるつもりである」と回答している。
[2]廃業の理由としては、「当初から自分の代でやめようと思っていた」が38.2%で最も多く、「事業に将来性がない」が27.9%と続く。
[3]「子供に継ぐ意思がない」「子供がいない」「適当な後継者が見つからない」との後継者難を理由とする廃業が合計で28.6%を占めている。
事業承継の準備について
[1]70代80代の経営者でも、準備が終わっていると回答した企業は半数以下。
[2]後継者選定や株・事業用資産の整理が終わっていない企業が多い。
会社の「出口戦略」を考えるのが真の経営戦略
最近では小規模M&Aの相談も多く、
第三者への事業承継が円滑に進めば良いですが、結果的に、「売却先が見つからない」「利害関係の問題」等から廃業・倒産に追い込まれる可能性がある中小企業が、今後5年間で相当数発生すると予測されます。
中小企業に限定すれば「会社の未来は社長が決める!」ものです。会社の出口戦略を考えておくことこそ、社長に求められる「真の経営戦略」ではないでしょうか。
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この記事の著者
NBC税理士法人
「縁のあったお客様は絶対に倒産させない。」という志のもと、税務面、経営の全般的なサポート業務を行っています。顧客訪問数1200社以上のノウハウをもとに、会計監査などの税務相談や、事業承継、新規開業、相続などさまざまなノウハウを配信しています。