河合雅司氏の『未来の年表』という書籍を読みました。この本を読んで感じたことをご紹介させていただきます。
目次
『未来の年表 人口減少日本でこれから起きること』
(河合雅司/著・講談社)
この本には、これからの日本がどうなるか?という未来図が具体的に記載されています。
例えば
- 「2025年、ついに東京都も人口減少へ」
- 「2033年、全国の住宅の3戸に1戸が空き家になる」
- 「2040年、自治体の半数が消える」
といった、にわかには信じがたい内容が記されています。
単に人が減り続けることへの警鐘ではなく、国がいくら少子高齢化対策を講じたとしても、人口減少・少子化を止めることは困難であり、移民を受け入れたとしてもうまく調和を図るのは極めて難易度が高いという内容です。
著者は「目指すべきは、人口激減後を見据えたコンパクトで効率的な国への作り替えである」として“戦略的に縮む”というコンセプトに基づき10の処方箋を示しています。
例えば、過疎化した地方には居住を認めず、まとまった場所にコミュニティを作ることで医療・防災などの国の効率を上げるといったものです。
実現の可否は別として、それぐらいのことをしなければ国家が成立しないという厳しい提言です。
経営は「変化対応業」ともいわれますが、日本がこれだけのスピードで変わるのであれば、当然のことながら、そこで事業を営む企業も早いスピードでの変化が求められます。
その変化に向けての一つのヒントが同書に記載されていた“戦略的に縮む”という観点です。特に資本力の乏しい中小企業においては高次元の“選択と集中”が必要となるでしょう。
- ベルギーワッフルに特化し坪数を劇的に抑えたワッフル専門店「マネケン」
- 激辛を掲げて町おこしに成功した京都の向日市商店街
どの分野で強みを見出すか?そのためにすべきことは何か?
限られた資金・人材の中でキラリと光る企業を作るためにも必要な観点だと感じます。
ポイントは、今ある売上やお客様・市場が5年後無くなっていると想定して次々と新しい行動を起こし続けることです。
弊社のセミナーでも「現状維持=衰退」とお伝えしています。昨日と同じ仕事を同じやり方でしていては給与は下がる時代なのです。
中小企業では投資できる資本力にも限りがあります。
今あるものに工夫を加えて利益・資金を増やす。経営者だけでなく役員・幹部は常にアンテナを張り、新しい事業のヒントを探し続ける必要があるのです。
書籍紹介関連記事
この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
NBCコンサルタンツ株式会社は1986年の創業以来、会計事務所を母体とする日本最大級のコンサルティングファームとして数多くの企業を支援しております。4,290社の豊富な指導実績を持つプロの経営コンサルタント集団が、事業承継、業績改善、人材育成、人事評価制度など各分野でのノウハウをお届けします。