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コロナ禍で沈んだ経済が徐々に回復基調にあるようにも見える一方で、物価の高騰や人材不足、時間外労働の上限規制などの要因により中小企業の厳しい状況はまだまだ続く見通しとされています。
(中小企業庁『2023年版中小企業白書・小規模企業白書』より)
さまざまな環境に対応できるか・できないか、企業としての「進化」が問われていますが、同じ状況下で同業種・同地域・同規模であれば、同じような進化を遂げるでしょうか──。
もちろん、同じにはなりません。なぜならば、そこには「企業力」という要素が介在するからです。
「企業力」の高い組織は「決めたことをやりきる組織」でもあります。
決めたことをやりきる……言葉で表現するのは簡単ながら、実際にそれを全うできる組織は一握りです。
以下は、私が思う「決めたことを『やりきれない』組織」の共通点です。
▼「決めたことを『やりきれない』組織」の共通点▼
- 1.目標数値が現実とかけ離れているため、目標達成に向けて追いかけるモチベーションが低い。
- 2.具体的なアクションプランまで落とし込めず、場当たり的な行動になっている。
- 3.行動計画は多岐にわたるが、どれも中途半端になっている。
- 4.会議で達成しない要因を探ると外的要因(コロナ・天候・材料高騰・人手不足……)になりやすい。
『やりきれない』組織になってしまわないよう、私がご支援の場で気をつけているポイントは以下です。
前年の売上高の10%アップ!という設定の仕方ではなく、採用・昇給・借入金返済などから逆算した利益目標を設定し、「何のための目標か」をしっかり発信することを重要視します。
会議は、積み上げた累計実績や昨対比でなく、常に目標に対してのギャップを明確にすることからスタートする。
結果(過去)の分析より、予測(未来)への対策に多く時間を使うことを意識しています。目標とのギャップが明確になることで、対策も変わってきます。
小売店を例にすると、売上高は「来店客数×購買率×平均客単価」と分解できます。
この場合、販売スタッフが指標にすべき内容は「購買率」「平均客単価」です。
「来店客数」を目標にしてしまうと、達成に向けて動けることが限られてしまいます。
自分たちで動ける範囲まで売上高を分解することが鍵となります。
活動のポイントは「狭く深く」です。あれもこれもではなく、1つのことを徹底的に追求することで改善のインパクトも大きくなります。
また、苦労して手にした方法であればあるほど、他社は簡単に真似できません。
「決めたことをやりきる」風土が定着している組織は変化に対しても強く、そして「まずはやってみる!」という精神が根付いています。
改善のアイデアに対しての判断が遅く、必要以上に慎重になる組織は、初動が遅れることはもちろんのこと、そもそも知恵を出そうというムードになりにくいものです。
チャレンジする風土づくりには多少の失敗も覚悟で「まずはやってみよう!ダメだったら戻せばいい!」という考えが必要です。
決めたことをやりきる「企業力」がある組織を目指し、「まずはやってみよう!」で始めてみませんか?
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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