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その事業、迷わずにやれてますか?

2024.06.12

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中国歴史小説の『楽毅』(宮城谷昌光:著)を久々に読み返していたら、「疑事は功なく、疑行は名なし」という言葉がふと目に入りました。

『疑いながら、ためらいながらことを行うようでは、成果は期待できない。一度決めたことは決然として断行すべきである。』という戒めだそうです。 

ビジョンや目標を持って進むことの大切さは重々承知のはずなのですが、現代のように不確実かつ不安定な世の中では、法人・個人・社員・経営者問わず、つい今やっていることに不安を感じるときもあろうかと思います。

実際、新規事業を始められた経営者の中には「本当にこの事業をやって良かったのか?」とついポロっとこぼしてしまう方もいらっしゃいます。

そんな時に、励みになるような言葉をかけられたらと思いつつもなかなかいい言葉が出てこないのですが、この「疑事は功なく、疑行は名なし」というのは何ともしっくり来る言葉ではないかと感じます。

この言葉を見つけた時、アメリカの第16代大統領のエイブラハム・リンカーン(以下、親しみ込めてエイブ)が浮かんできました。

エイブラハム・リンカーンの生い立ち

19世紀前半という開拓時代、奴隷制が当然にあったアメリカで、田舎の農民一家に生まれたエイブは非常に貧しい幼少期を過ごしたそうです。

幼い頃から各地を転々としながらも、人好きのする優しい性格で行く先々で面倒を見られ、雑貨店経営、製粉業、郵便局長を経て、イリノイ州議会の議員に当選。この間独学で法律を学び、27歳で苦学の末に弁護士資格を取り法律事務所を開くまでになります。

さらにエイブはここから下院議員、上院議員に当選し、当落選を繰り返しながらもついに第16代大統領当選を果たします。

これでも十分な成功で正にアメリカンドリームと思いますが、エイブはここからさらに進んでいきます。

彼が一番に掲げていた公約は「奴隷解放」。

この公約に反発する各州との軋轢で南北戦争が勃発するわけですが、1863年、ついに奴隷解放宣言を公布します。世の中の常識をひっくり返してしまいました。

とても残念なことにその翌年、エイブは暗殺されてしまいますが、この間、数々の言葉と功績を残し人々の記憶に刻まれました。

この人の言葉、周りの人たちの評判を読むと、「奴隷を解放する」という一つの目的に全てがつながり、そこに迷いや疑いはなく、ただ淡々とやるべきことをやるという印象を受けるのです。

エイブの名言で、こんな言葉が残っています。

『自己の向上を心がけている者は、喧嘩などする暇がないはずだ。おまけに、喧嘩の結果、不機嫌になったり自制心を失ったりすることを思えば、いよいよ喧嘩はできなくなる。』

個人的な感情が出てしまうと、ついつい不安や不満、好き嫌いや得手不得手に流されてしまいそうになる日々ですが、エイブのこの考え方を胸に刻んで、迷うことなく自らのビジョンを突き詰めていきたいものですね。

優れた起業家が実践する「5つの原則」

しかし一方で、挑戦的な事業を進められている会社様には「そうは言ってもどこまでどうやればいいのか?」という現実的な不安もあるかと思います。

そのヒントになりそうな「エフェクチュエーション」という意思決定理論を紹介します。

エフェクチュエーション

インド人経営学者のサラス・サラスバシー氏による5つの行動原則。 優れた起業家が共通の理念や思考プロセスを活用していることを 理論として体系化したもの。

許容可能な損失の原則

どこまで損失を許容できるかにもとづいて目標設定。事前に設定した許容可能な損失の上限に達したら事業をそこでやめる決断をすること。

クレイジーキルトの原則

協力会社、競合他社、従業員など、さまざまなつながりをパートナーとしてとらえ、一体となってゴールを目指すこと。

手中の鳥の原則

有している既存の手段を起点に新しい物を作ろうとする。自分が持っている資源を認識して、その活用を前提とする。

飛行機の中のパイロットの原則

予測できないことを避けようとするのではなく、自分自身でコントロールできる活動に集中し、望ましい未来を作り出す。

レモネードの原則

「粗悪なレモンを避ける」のではなく、「粗悪品ならレモネードに」と発想を転換する。困難な状況を避けたり闘うのでなくむしろ困難を飲み込み梃子(てこ)のように活用する。

以上の5つ、新規事業の進捗を図る羅針盤としても活用できそうではないでしょうか?

本日は決めたことを疑わず成し遂げることの偉大さ、挑戦する際の原則を紹介させていただきました。

「話はわかるけどやっぱり自社だけでは不安……。」という会社様は、リンカーン内閣のように優秀で個性豊かなNBCのコンサルメンバーが全力サポートしますので、ぜひご一報ください。一緒にビジョンを成し遂げていきましょう。

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この記事の著者

NBCコンサルタンツ株式会社

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