企業経営の目的はゴーイングコンサーンですが、利益を目的としてしまうと本来あるべき姿を見失い不正に手を染めてしまう可能性があります。
最大限達成可能な目標を掲げて、その目標達成に向かうプロセスが、組織を強くすることを肝に銘じておいてください。
目次
企業経営の目的
当たり前ですが、利益が出ず資金が枯渇すると企業は倒産します。
倒産を避けるために、どうしても利益・資金が必要ですが、企業経営の目的は永続的な発展であり、利益を目的としてしまうと、某建築事務所の耐震偽装問題や、老舗和菓子メーカーの消費期限偽装問題など、不正のきっかけになりかねません。
二宮尊徳の言葉に
「道徳なき経済は罪悪であり、経済なき道徳は寝言である」
というものがあります。
経営者の仕事は「理想の姿」を高く見定め、「確実に利益が残る組織」を作ることです。
会社として目指すべき方向性を明確にした上で、組織メンバーに目標を設定し、達成させ、利益を蓄積する必要があります。
数値のみの目標であることの落とし穴
ここで注意しなければいけないことは、利益を目的とした数字目標ばかりをフォーカスすると、「数字をあげていれば、何をしてもいい」という社風につながる危険性があるという点です。
利益さえ出ていればOKではなく、最大限達成可能な目標を掲げて、その目標達成に向かうプロセスが、組織を強くすることにつながるということです。
- この会社の存在目的は何か?
- この仕事を通してどうなりたいのか?
- お客様にどうなってほしいのか?
- 今の取り組みは企業理念の実現につながっているのか?
こうした観点で社員が物事を考えられるように習慣付けることも、企業にとって重要な役割です。
数字ばかりを追い求め、本来の目的を見失わないために、経営理念浸透のツール(クレドや会議体など)を活用し、自社の目指す「理想の姿」を追求してください。
■経営者になるためのノートより引用■────────────────
「儲ける事が大切」と「儲ければいい」は全く意味が異なります。
「儲ければいい」という考え方は、「何をやってもいい」という考え方と
「結果オーライでいい」という考え方に通じます。
そうやって儲けている人を「経営者」とは呼びません。
厳しい言葉でいうと「モラルのない商売人」です。
経営者にとっての「正しい儲ける姿」とは、
「約束したことを成果として実現させたうえで、儲けている」
という姿です。約束したことが実現できていないのに、儲けがあがっているとしたら、
経営者としての仕事はできていないと思わないといけません。
やるべきことをやったうえでの儲けではないので、
儲けても意味がありません。
結果オーライで、それで喜んでいたら、その会社の経営は
長続きしないでしょう。
参考文献「経営者になるためのノート:柳井正氏著」PHP研究所
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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