「仕事量が減っている……。」
「内容が薄くなっている……。」
「単価が下がってきている……。」
といった声を数多く耳にするようになったとき新規取引先の獲得などのいわゆる提案力(営業力)の強化に関するものです。
そこで、今回は提案力の強化、中でも提案のステップに関して考察してみましょう。
目次
景気後退懸念の昨今
内閣府が5日に発表した
5月の景気動向指数による基調判断は「下げ止まり」となり、
3~4月の「悪化」から脱却した。
(中略)
民間エコノミストの間では、
米中摩擦の影響で浮上した国内の景気後退の懸念が
ひとまず遠のいたとの見方が強まっているものの、
先行きの不透明感はなお強い。
出所:日経新聞2019/7/5号
皆様の会社や取引先・業界の景況感はいかがでしょうか?
私が企業様を訪問した際には
「仕事量が減っている……。」
「内容が薄くなっている……。」
「単価が下がってきている……。」
といった声を数多く耳にするようになってきました。
こういった時に、業種・業態を問わず出てくるキーワードが
- 新規取引先の獲得
- 既存先の深耕
- 商品価値の訴求
- 顧客ニーズの詳細把握
上記のようないわゆる提案力(営業力)の強化に関するものです。
そこで、今回は提案力の強化、中でも提案のステップに関して考察してみましょう。
提案力UPクイズ!
提案のステップにおけるゴールは、もちろん「契約(取引成立)」となります。
そこで!
契約に向けてステップを進めていくことになるわけですが、どのようなステップが重要で、どういった順に進めていけば良いのか……。
次のステップを正しい順番に並べ替えてみてください。※これより前段階で、お客様からの提案依頼がある前提です。
正しい提案ステップの順に並べ替えてみよう!
A:金額イメージの設定
B:現状把握
C:問題解決の提案と合意
D:契約イメージの共有
E:問題・課題の抽出
いかがでしょうか?
さて、正解への考え方ですが、まずは、最も重要なステップから考えてみましょう。
重要なステップは「金額イメージの設定」ではない
最重要ステップは「A:金額イメージの設定」とお考えの方が多いのではないでしょうか?
「A:金額イメージの設定」は非常に重要なステップですが、
これを最重要とする提案の進め方は残念ながら契約に結び付かないケースが多いです。
実は、最も重要なステップは「C:問題解決の提案と合意」です。
お客様は自身の潜在・顕在ニーズを満たしてくれる(問題を解決してくれる)提案を望んでいます。
金額がいくらか?や、どこ・誰と契約するか?の前に、
- どうすれば問題を解決できるのか?
- 自分が望む結果が出るのか?
を知りたいはずです。つまり、お客様の抱えている問題を正しく捉え、解決に導く提案ができるかどうかが肝心です。
そこがブレたままの自己・自社本位な思考と提案では、お客様に共感・共鳴、納得していただけるはずはありません。
結局「話が先に進まない……。」ということになるわけです。
「C:問題解決の提案と合意」が最重要ということを軸に据えると以下の順番が見えてきます。
クイズの答え
<正解>
B:現状把握
E:問題・課題の抽出
C:問題解決の提案と合意
D:契約イメージの共有
A:金額イメージの設定
実際はケースバイケースで、すべてこの順で進むわけではありませんが、基本はこの考え方で臨み、ケースに合わせて応用させることで解決できます。
もし、提案で「なぜかうまくいかない……。」と感じることがあれば、このステップ・考え方に即して、流れを振り返ってみてください。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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