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2024年の準備はできていますか?早いものでもう師走です。
今年の自動車業界は大きな転換点を迎えました。金融庁が保険会社と事業会社の双方に、同時立ち入り検査を実施した例など、過去になかったのではないでしょうか。
大手の不正、ディーラーでも不正、不正ではないにしても大手の強引な手法……。
自動車業界の『今年の漢字』は不本意ながら不正や不信の『不』でしょう。
2023年10月1日から施行された中古車販売価格の総額表示も、大手販売店や軽自動車39.8万円専門店、未使用車専門店などで「おとり販売」に近い不当な価格表示が常態化していたことに起因します。自動車業界の不正は昔から多く、法規制が入るときは、大体どれも大手の不正が明るみになったときです。
大手や未使用車専門店の諸費用調整は禁じられ、地域販売店のチャンスが広がりました。地域の主導権を取り返すチャンスはまさに今だと感じます。
まさに、王道経営VS覇道経営の構図です。
- 『王道経営』:徳(顧客満足・社員満足・地域貢献)を持った会社経営。
- 『覇道経営』:トップダウンで拝金主義、自社・自分中心の経営。
長く続くのは『王道経営』であり、地域の販売店・修理工場がとるべき選択肢です。
拝金主義に陥った企業では、目標がノルマとなり、ノルマ達成が目的となってしまいます。そのような環境下では良識が働かず、働く方も自分の身を守ることが優先され、不正やごまかしがまかり通ってしまいます。
ここでの「王道」とは、単純な正しさではなく、お客さま視点での正しさです。『覇道経営』の特徴にあてはまっていないか、チェックしてみましょう。
- 経営者・部長が神様のような絶対権力者
- ノルマ(目標ではない)に追われている
- 人が定着しない(平均在職年数は5年以下)
- 上司が部下の数字や行動に責任を持たない
- トップダウンで、現場から意見を吸い上げる場や仕組みがない
- ハラスメントが日常的にある
- 減給や懲罰といった処分を簡単に行う
また、正義(客観)と正義感(主観)の違いには注意が必要です。
以前、ある販売店様がこのようなことを仰いました。
「うちはこんな良い状態の車を並べているのに全く声がかからない!いい加減な売り方をしているあそこの方が何で売れているんだ!?」
この販売店様は数年後に倒産していました。理由は、自社の基準を押し付けており、お客さまのニーズとズレが生じていたことです。お客さまのニーズとのズレ……怖いですね。昔のニーズと今のニーズが異なっていることもあります。最新のニーズを把握することが第一で、その次に販促方法や営業テクニックです。
2024年も業界動向は色々と揺れ動くと思います。「1年の計は元旦にあり!!」と言いますが、下記4点の点検をお勧めします。
- 顧客ニーズや経営理念の正しい浸透
- 顧客満足の追求
- 社員満足(金銭だけでない目的志向)
- 基礎力(主体性・多様性・道徳観)
NBCでも、そのお手伝いをすべく、定期的に情報や経営改善ノウハウを発信する勉強会を開催しています。ぜひお役立ていただけますと幸いです。皆様のご参加、お待ちしています。
「自動車業界の将来に不安を感じている。」「業績を改善したい。」 「顧客満足度を高めたい。 」「他社事例を知りたい。」 このようなお悩みを抱えている方は、 ぜひご参加ください。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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