中小企業向けの補助金として過去最大級の予算規模を誇る「事業再構築補助金」について、今年8月に、お膝元である中小企業庁から『事業再構築~虎の巻~』が配信されたことをご存じでしょうか?
とくに、『事業再構築に向けた事業計画書作成ガイドブック』は133ページに及ぶ超大作であり、事業再構築補助金採択に向けたヒントが詰まっています。
今回は、この『事業再構築に向けた事業計画書作成ガイドブック』の特徴をご紹介し、さらに、他の申請書から一歩抜きん出るために必要なことをご紹介いたします。
目次
ここが凄いぞ!『虎の巻』:【1】「重要トピック」の説明
事業再構築補助金の特徴として、公募要領に
「かなり明確な審査基準が記載されていること」が挙げられます。
この『虎の巻』には、この審査基準をさらにかみ砕いた形で、「13個の重要なトピック」が示されています。採択には、この13個を「抜け漏れなく記載すること」が必須だと思います。
ここが凄いぞ!『虎の巻』:【2】「具体的な記述粒度(りゅうど)の考え方」の説明
「記述粒度」とは、「記述の細かさの程度」と読み替えることができます。
例えば「財務状況の安全性の確認」というトピックでは、以下のような例文が示されています。
市場規模・トレンドの把握
・×××のレポートによると、全国的には「××」の市場規模は
20年××億円、21年××億円と例年増加傾向にあり、25年まで年率×%で伸びる見込みである。
加えてヒアリング結果より、自社の商圏である××県においても同等の成長が見込めると想定
ここが凄いぞ!『虎の巻』:【3】事業テーマの傾向分析結果
「どのようなテーマが通りやすいのか?」という誰もが知りたいそのものズバリの情報が、本業の事業分野別(飲食業・製造業・卸売業……)に「有望度」という基準に基づいて分析されています。
この『虎の巻』により、事業再構築補助金の採択を得るために必要な申請書のレベルは
確実に上がると思いますし、この『虎の巻』に準拠した「似たような申請書」が量産されることが予想されます。
他の申請書から一歩抜きん出るために必要なこと:「市場分析」及び「目標売上高の妥当性の説明」
確実に採択を受けるには、「この『虎の巻』の内容をフォローしつつ、他の申請書から一歩抜きん出る内容」が必要になります。
では、一歩抜きん出るために必要な内容は何なのか……?
NBCでは、ズバリ「市場分析」及び「目標売上高の妥当性の説明」だと考えています。
上記【2】「記述粒度」の部分に、以下のような記載があります。
財務状況の安全性確認
・当社は安定した財務基盤
(流動比率: ××%/当座比率:×××%/自己資本比率:××%)を有しており、流動比率は業界平均の××%を満たし、
金融機関からの信頼もある
私たちは、この内容に加えて以下のように結論の記載が可能となる分析を加えています。
市場規模は〇〇市で約4億円と概算。目標シェアを〇〇市_30%として、売上高1.2億円を目標として設定。
こういった「そのものズバリ」のデータは、WEB上にはまずありません。
営業地域のマクロ情報(世帯数・企業数……)を基礎として、単価・購入頻度等(想定する変数)を考慮して市場規模を概算。それに目標シェアを掛けることで、目標売上高を設定します。
[例]トラック修理業の場合……
- 営業地域におけるトラックの登録台数:4千台(マクロ情報)
- トラックの修理費/年:100千円/年(顧客ヒアリングや経験則から概算)
- 目標シェア:30%(市場の競争の程度・競合企業の勢い等から概算)
→計算式:100千円×4千台×30%=1.2億円
まとめ
NBCは、自身が中小企業として、この事業再構築補助金を申請・採択・最終報告を行った経験に基づき、多数の企業様のサポートを行っています。
申請のみならず、交付申請・変更申請・事故報告(期限延長)・最終報告……、同補助金に関するすべての段階におけるご相談を受け付けています。
【成果報酬型の支援】が可能な場合もございます。お気軽にお問い合わせください。
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この記事の著者
NBCコンサルタンツ株式会社
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