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ネコ型ロボットが革命をもたらす?飲食業・宿泊業の業務効率化、労働生産性の向上事例

2023.05.30

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目次

話題のあのネコ型ロボットに旅先で遭遇

先日「旅ゆけ~ば楽しい、ホテル〇〇〇♪」で有名な、千葉県にある某ホテルに行きました。

大勢の人でごった返していた夕食のバイキング会場――。その人ごみの中を何台かのネコ型の配膳ロボットが、お客さんの食べ終わった食器類を洗い場まで運んでいました。

このロボットには手が無いため、食器類を持ち上げられないのですが、画面に可愛い顔が表示され、可愛い音声で「♪食べ終わった食器を乗せてくださ~い♪」と言うので、食事が終わったお客さんは、大人も子供もみんな笑顔で食器を乗せてくれます。

Pudu Robotics「BellaBot(ベラボット)」

出所:Pudu Robotics「BellaBot(ベラボット)」

また、ロボットが通路でお客さんとすれ違う時は、お客さんの方がよけてくれます。人間のスタッフだと、このロボットのようにはいきません。食事中ずっと見ていましたが、人手不足と作業効率の改善には大いに有効だと感じました。

昨今、飲食業・宿泊業では大手チェーンを中心に配膳ロボットの導入がどんどん進んでいます。

事例:すかいらーくホールディングス

すかいらーくホールディングスでも同型のネコ型ロボットを導入しており、すでに7割の店舗に導入済みだそうです。導入済みの店舗ホール従業員の話では「配膳の仕事がなくなり、接客に集中できるようになった」とのこと。今後、具体的なデータによる生産性の分析を行っていくそうです。

事例:コロワイドグループ

コロワイドグループもステーキ店で配膳ロボットを導入しており、従業員が空いた時間でステーキにタレを掛けたり、焼き加減を説明するなど「お客様の体験価値を最大化する」業務に集中しているそうです。

配膳ロボットは、人手不足が叫ばれている飲食店や宿泊業におすすめしたい設備投資の一つであり、事業再構築補助金を活用することで、設備投資の一部を補助金でまかなうことができます。
※AI(人工知能)やセンサー技術などが盛り込まれているため、先端的なデジタル技術として模範採択事例でも紹介されています。

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中小企業は待ったなし!世界各国に後れを取る日本の賃金

このようなロボットによる業務効率化の動きの背景には、人口減少と給料の問題があることは皆様もご存じかと思います。

2020年の人口統計と2070年の将来推計人口を比較すると、総人口は2020年で約1億2,600万人だったものが2070年には約8,700万人と7割程度になる予測です。生産年齢人口(15~64歳)は約7,500万人が、約4,500万人になると予測されています。高齢化率は28.6%(3.5人に1人)から、38.7%(2.6人に1人)に。

人口に関するデータは軒並み、減少・悪化傾向を表しています。このことは労働力と消費者が確実に減少することを意味しています。

また、日本の賃金が約30年間上がっておらず「世界各国に後れを取っている」というデータも最近はよく目にします。日本人の年収を世界各国と比較すると、アメリカには大差で負けており、韓国にも既に負けていて、OECD加盟国38ヶ国中で日本は24位となっています。

日本の年収が低い要因を、デービッド・アトキンソン氏は「日本の労働生産性の低さが原因」と指摘しています。労働生産性つまり1人当たりの付加価値が低いので、支払う年収も低くなっているということです。

労働生産性はOECD加盟国38ヶ国中で日本は27位と、ここでも賃金と同様に低い結果となっています。日本では、企業規模と労働生産性に強い相関関係があり、中小企業は大企業と比較すると、労働生産性が相当低くなっています。

このことは日本全体の大きな課題でありますが、特に中小企業においては早急に解決しなければならない大きな課題です。

まとめ

われわれが給料を上げるためには、今までより付加価値が高い商品・サービスを開発・製造し、より高い価格で販売していく、もしくは前述のロボット化やITによる「業務効率化」によって、より付加価値の高い業務に集中するなど、1人ひとりの労働生産性を上げなければなりません。

「何か出してよ~」と言えば、家庭や企業、国の諸問題を解決するために、ネコ型ロボットがポッケから何やら便利な道具を出してくれる、そんな世の中がくるかもしれない――、その日までは、経営のあらゆる場面でイノベーションを起こし続けることが必要です。

トップである経営者から率先して行動する必要がありますが、笛を吹けども誰も踊らない組織では、何も起きません。うまく従業員を巻き込んで、全社でイノベーションを起こす必要があります。

「それが難しいんだ……。」と、頭を抱える経営者の方が多いのではないかと思います。弊社では、主に中小企業の経営者様向けに、自社の労働生産性をいかに上げるか、そのためにいかに従業員を巻き込むか、そのヒントをセミナーでお伝えしています。悩まれている経営者の方はぜひご参加ください。

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この記事の著者

NBCコンサルタンツ株式会社

NBCコンサルタンツ株式会社は1986年の創業以来、会計事務所を母体とする日本最大級のコンサルティングファームとして数多くの企業を支援しております。4,290社の豊富な指導実績を持つプロの経営コンサルタント集団が、事業承継、業績改善、人材育成、人事評価制度など各分野でのノウハウをお届けします。