中堅・中小企業の社長のための
経営支援・課題解決メディア

労働分配率をベースとした人事評価制度導入・改善事例【後編】

2022.06.22

Share

今回のコラムでは、労働分配率経営をベースとした人事評価制度や、導入・改善事例についてお伝えしてまいります。

社員100名未満の社長のための評価制度セミナー
会社の業績と社員の給与を同時にアップ!
社員100名未満の社長のための
評価制度セミナー
無料オンラインセミナー毎月開催中

社長は、給与の決め方、社員に説明できますか?

『社員100名未満の社長のための評価制度セミナー』に申し込む

なお前編は以下の記事をご参照ください。

目次

KPI、OKR……最新手法が会社を変えるわけではない!

人事評価制度の構築・運用のご支援をしておりますと、「目標管理に手を焼いている」という社長から多くのご相談をお寄せいただきます。

社員の目標意識・達成行動を高めようと、
KGIとKPI、OKR(Googleが取り入れている手法として最近注目されています)、SMART……など、次々に出てくる新たな手法を試しているようです。

いずれの手法を用いるにしても、成功する企業と失敗する企業に分かれます。今号ではそのポイントをお伝えします。

社員の「知っている」と、社長が求める「知っている」にギャップがある

人事評価制度構築の前に、社員の皆様にアンケートを取ると、次のような意見がよく出ます。

  • 会社の未来が見えない
  • 目標や計画は尻切れトンボに終わる
  • 会社の課題は理解しているが、自ら改善する風土がない

社長は社員を集め、期初や下期のスタートに経営計画・目標の振り返りなど行っているのに、なぜこうなるのでしょうか?

それは……ズバリ!
社員の「知っている」と、社長が求める「知っている」との間にギャップがあるからです。

  • [1]聞いている
  • [2]理解している
  • [3]納得している
  • [4]共通認識がある
  • [5]行動している
  • [6]できている

社長は、「知っている」=[5]行動している[6]できている を求めますが、

社員は、「知っている」=[1]聞いている[2]理解している で留まっていることが多くあります。

このような場合「納得」や「共通認識」まで高まっていないため他人事になっており、自主的に行動するものというより、指示があれば行動を起こすというケースが多くなります。

最も重要なことは

  • いかに社員が【 腹落ち 】できるように巻き込むか
  • (腹落ちしたら)社員が安心して行動できるようにマネジメント層がいかに振舞うか

ということです。

とある企業の事例

ある企業のお話です。

この企業の評価制度は四半期目標を立て、
チームの目標達成のために個人目標を立て、
チームと個人の達成度を評価する仕組みになっていました。

しかしながら、全社目標と部門目標の繋がりの薄さ、それに伴い個人目標の内容とレベルにバラつきがあることが悩みでした。

そこで、経営計画発表会を半日間で行い、前半は社長・部門長からの発表、後半は社員の腹落ちのためのグループワークを開催しました。

すると、上司と部下との認識には驚くほどのずれが!それでは目標達成はおろか目標立案もできるはずがない……という状態でした。

営業サイドは

「何で〇〇の獲得が評価されないんですか?それが評価されないのならやる気が出ません!」

→評価項目の漏れが達成意欲を阻害することも

本部サイドは

「調べるのに時間がかかります。○○業務は現場でやってもらえないですか?」

→法律が絡む業務のため、本来は現場任せにできない
→本部社員の知識・スキル不足が問題の本質

さて、このような状態から本来管理者には言いたくない本音を社員から引き出し、いかに解決に向かわせ、共通目標の達成にベクトルを向けたのか……?

共通目標の達成に向かわせるために行うべきこと

その秘訣は"フレームワーク"と"グループワーク"にあります。

1.目標・計画を達成できない組織のメカニズムを知り

2.目標・計画を達成させるためのディスカッションの方法を学び

3.最も達成したくて、最も難しい課題にフォーカスし、最もやるべきことに短時間で集中

4.次のフォローアップの日を決めて、解決策にコミュニケーションの頻度も組み込む

その場で解決できないことは

「いつまでに決めるのか」

「そのために最初のミーティングをいつ開くのか?」

前向きな棚上げをしながら、テンポ良くディスカッションをすることが大事です。間延びはマイナス思考に繋がります。

【無料・オンライン】社員100名未満の社長のための評価制度セミナー
社員100名未満の社長のための評価制度セミナー
人財サービス企業「アデコグループ」日本法人が 20~60代の働く人を対象に実施したアンケートによると、6割以上が勤務先の人事評価制度に不満を持ち、理由は「評価基準が不明確」が最も多く、約8割が人事評価制度の見直しが必要と考えていることがわかりました。 

人事評価制度を構築・運用するうえで最も重要なことは、公平・明確な評価の“ものさし”を設定し、それを社員にしっかりと説明、理解してもらうことです。具体的な指標や基準の設定方法、上手な運用方法にご興味がある方は、ぜひご参加ください。
『社員100名未満の社長のための評価制度セミナー』に申し込む

Share

関連ダウンロード資料

  • 詳細を見る
    人事評価制度チェックシート チェックリスト

    自社の振り返りができる『人事評価制度チェックシート』

労働分配率を使った人事評価制度

  • 詳細を見る
    人事評価制度の運用コスト

    人事評価制度の運用コスト ~幹部は社員に伝えているか?~

  • 詳細を見る
    皆が100%満足する評価制度よりも納得できる評価制度を

    皆が100%満足する評価制度よりも納得できる評価制度を

  • 詳細を見る
    労働分配率をベースとした人事評価制度導入・改善事例【後編】

    労働分配率をベースとした人事評価制度導入・改善事例【後編】

  • 詳細を見る
    労働分配率をベースとした人事評価制度導入・改善事例

    労働分配率をベースとした人事評価制度導入・改善事例【前編】

  • 詳細を見る
    労働分配率による目標設定~間接部門を、どのようにして巻き込むのか?~

    労働分配率による目標設定~間接部門を、どのようにして巻き込むのか?~

人事評価制度関連記事

  • 詳細を見る
    発表する男性

    人事評価制度の『運用支援』(完全版)

  • 詳細を見る
    人件費のイメージ

    必ず押さえておきたい「将来の人件費推移と必要利益」

  • 詳細を見る
    フィードバック面談

    フィードバック面談(賞与面談)のポイント

  • 詳細を見る
    360度評価

    360度評価とは?メリット・デメリットや具体的な手順、導入する際の注意点を解説

  • 詳細を見る
    人事評価制度見直し

    人事制度の見直しポイント|目的や手法と課題を解説

  • 詳細を見る
    あなたの人事評価……見られているかも!?

    あなたの人事評価……見られているかも!?

  • 詳細を見る
    人事評価制度の見直しは必要?タイミングや見直し方法を解説

    人事評価制度の見直しは必要?タイミングや見直し方法を解説

  • 詳細を見る
    人事評価制度を導入する目的は?導入を成功させるポイントも解説

    人事評価制度を導入する目的は?導入を成功させるポイントも解説

  • 詳細を見る
    人事評価制度を構築するポイントは?コンサルタントへの依頼メリット

    人事評価制度を構築するポイントは?コンサルタントへの依頼メリット

  • 詳細を見る
    2020年代人事評価制度のトレンドは?傾向と導入のメリットデメリットも解説

    2020年代人事評価制度のトレンドは?傾向と導入のメリットデメリットも解説

この記事の著者

NBCコンサルタンツ株式会社

NBCコンサルタンツ株式会社は1986年の創業以来、会計事務所を母体とする日本最大級のコンサルティングファームとして数多くの企業を支援しております。4,290社の豊富な指導実績を持つプロの経営コンサルタント集団が、事業承継、業績改善、人材育成、人事評価制度など各分野でのノウハウをお届けします。